学習時の障害がある受験生でも大学受験できる?

これから塾や予備校に通おう、不登校だったけど、学校に行ってみよう
そういう人もいると思います。

学校でも塾でも教員、講師は少しは配慮してくれると思います。
けど、教員や講師はカウンセラーでもないし、セラピストでもないし、まったく同じ経験をした人でもないので、あなたがどんな障害を持っているのかを知らないし、どう配慮すればいいかを知らないんです。だから、事前に自分で要望を伝えましょう。

「学習障害があるんですけど、大丈夫でしょうか?」
これは何も言っていないのと同じで、相手は最大限の警戒をするので、「無理ですね」と言われると思います。

「音が大きいのがダメなので、静かな部屋、静かな時間帯に学びたいんです。そういう配慮は可能でしょうか?」
これなら、配慮できる予備校、塾もあると思います。
こういうように具体的に状況と、要望を伝えましょう。

自分が発達障害や、何らかの特性を持っているのかを知りたいという人は、
本来は精神科、メンタルクリニックでカウンセラーなどから、精密な検査を受ける必要があります。検査をしたいと言えば、してくれると思います。
そうすることで、特性がはっきりして、安心する人もいます。
そうではありませんように、と思っている人は、逆に落ち込んでしまうかもしれません。
一応、セルフチェックのURLを張っておくので、当てはまる項目が多い人は、カウンセラーに相談するといいと思います。
外部のサイトです。

ASDと診断されても、すべての項目に当てはまるわけではありません。
ADHDと診断されても、すべての項目に当てはまるわけではありません。

有名な特性は、この二つです。
ASD 集団活動が難しい、相手の期待していることがわからない、雑談などができない、人付き合いが難しい、会話で自分が話すタイミングがわからない、表情や仕草の意味がわからない。細部が気になる、自分のやり方でないと動揺する。言葉の文字通りの意味は分かるが、裏の意味がわからない(笑いながら「馬鹿だねー」と言われる。相手は「かわいいね」という意味で言っているのに、それがわからない)
ADHD 計画性がない、計画したことをやめたい、計画や約束を忘れる。
好きでないことに集中が続かない、会話の途中で相手をほおって自分の世界に入ってしまう、財布や鍵やスマートフォンを置き忘れる、座っていられない、行列を認識できずに割り込んでしまう、会話の内容を理解できない、話しかけていいかわからない

ワーキングメモリーが少ない

いまさっき言われたこと、読んだことを憶えておいて、それを元に考えたり、発言したり、先を読んだりすること。いらない情報をうまく忘れたりすること。これがうまくできないことをワーキングメモリーが少ないと表現しています。
感情や五感とセットで憶えると短期記憶に留まりやすくなります。思い出しやすくなります。その後で、繰り返しアウトプット、つまり思い出す訓練をすると長期記憶に保存されるようになります。
だから、楽しいと思えるように褒めてもらったり、面白いエピソードを話してもらったりしましょう。
学んだ直後に反復練習をすることで、これも長期記憶に残りやすくなります。
ワーキングメモリーが少ない人は、
質問は一度に二つしないようにしてもらいましょう。
さっきはこう言ったよね、だからそれを踏まえて~というように、復習しながらすすめましょう。
ページを戻って確認する両面コピーではなく、片面コピーで一覧できるようにしましょう。スクロール系、巻物系の画面も見やすいと思います。戻った時に見やすいよう、そして忘れてもいいように、読んでいる時に重要なところに印をつけておきましょう。
両腕を上げて深呼吸するなどして、もういらない記憶を忘れるようにしましょう。今必要なことに頭を切り替えやすくなります。つまり、集中を持続できるんです。
ペン回し、貧乏ゆすり、机や腿を指でトントンするなども情報の整理に役立ちます。教員や塾の講師や、周囲の生徒に「貧乏ゆすりしないと、集中できないんだよねー」と事前に伝えておきましょう。もちろん、足を机にぶつけて貧乏ゆすりをすると音や振動で周囲の人に迷惑です。一番迷惑でないのは腿を指でトントンだと思います。

色覚障害
色の区別がつきにくいということです。
文字に線を引く時に、二重線、波線などか形を変えてもらいましょう。
地図も横線、縦線、斜線、塗りつぶし、マス目などに変えましょう。

緘黙 または 場面緘黙
家ではおしゃべりなのに、外や学校や塾や初めての場所だと、うまく言葉が出てこないことです。
身体が硬直することもあります。
緊張するとそうなりやすいと言われています。
稀に、リラックスしていると、言葉が出てこない人もいます。
自分の意思ではどうにもできません。
首を絞められて声が出ない状況を想像してください。同じようなものです。
注目される場面を作らないように、指名を回避しましょう。
挨拶や回答を強要しない、促さないように言っておきましょう。
「少しくらいなら言える?」これもいけません。
筆談、PC上での記入なら、大丈夫な人もいます。
二択の質問で、頷く、首を振ることならできる人もいます。
連絡事項などが伝わっていないことを表現できない時もあるでしょうから、あとでメモやメールで連絡してくれるように言っておきましょう。
どんな環境で、どんなことを言われる(例えば、挨拶される)、される(例えば、目を合わせる)と、緘黙になるのかを特定して、伝えておきましょう。医療機関ではない予備校や塾で特定までしてもらうというのは、負担のかけすぎです。

大きな音がダメ 
自閉症スペクトラム? 耳管開放症? 聴覚過敏?
他の生徒が大きな声を出す可能性はあるし、壁にぶつかったり、ペンを落としたりすることはあり得るので、完全な対応はできません。
生徒の少ない早朝、夜遅くの時間帯に、静かな生徒の近く、大きな音を出す生徒から遠い席を準備してほしいと伝えましょう。
基本的には自分で耳栓したり、ヘッドホンをすることが必要です。
家庭教師でもいいと思います。

香水や柔軟剤の匂いがダメ 
化学物質過敏症?
これは他の生徒に禁止することはできないので、予備校や塾では対応できません。家庭教師にするといいでしょう。

文字を読めない  
ディスレクシア?
フォント/字のデザイン、大きさ、文字と背景の色を画面上で変えてみましょう。音声入力、音声読み上げを使いましょう。塾では他の生徒もいるので、ヘッドセットを使いましょう。
講師に音読してもらいましょう。他の生徒の声も入ってしまうので、録音は不可という塾が大半だと思います。もちろん、授業時間以外に音読することはサーヴィス残業になるので、これはお願いできません。

文字が書けない  
ディスグラフィア?
パソコンの持ち込みを伝えておきましょう。
キーボードを打つ音が、他の生徒の邪魔になることもありえるので、静かに打てるキーボードがいいですね。

文字を読んでも頭に入らない。
音、絵、イラストに写真、動画 CD、DVD、マンガ、小説(源氏物語の現代語訳)、youtubeなど自分に合ったものを選びましょう。
アウトプットは試験の形式に合わせましょう。

オンライン授業で顔も声も出したくない
入学、入塾前にカメラ、マイクともにオフの状態ですと伝えておきましょう。事務、教務には伝わっていても、教員、教室長、講師には伝わっていないこともあるので、その科目の初回の授業の前には、教員、講師にも伝わるようにもう一度念押ししておきましょう。
チャットやスタンプでの参加は可能だと伝えておきましょう。

勉強だけを求めている
カウンセリングに通っている、通院していると伝えると、そちらのケアも考慮して、ゆっくりペース、雑談多めで対応してくれる塾や家庭教師もいるでしょう。
大手の予備校なら教務やチューターが、個人指導、個別指導の場合には、講師が行う交流、雑談、モチベーション、宿題、学習の日程管理、受験する大学の選定など、多岐にわたる領域があります。
何を求めているかを初回の授業の前に伝えておきましょう。
例えば、
宿題は出さないでください、第一志望しか受けないので、他の大学を受験するように促さないでください。

障害のことには触れてほしくない
きちんと伝えておきましょう。

名前を呼ばないでほしい
ニックネームを伝えておきましょう。

遅刻や忘れ物が多い  
ADHD(注意欠如多動症)?
きちんと伝えておきましょう。
授業で使うテキストや問題集を忘れたら、授業を受けても何もわかりません。行く意味がありません。いつも忘れるという前提なら、もしかしたら、生徒がとっておいたコピーを塾におかせてくれるかもしれません。
遅刻することがわかった時点で、連絡しましょう。
休む時も、わかった時点で、連絡しましょう。
先生が言うには
「例えば、個人指導の塾で、台風の時に、9時に家を出て、10時に塾に着くとする。授業は10時30分からだ。そして、10時20分に生徒が休むと連絡があった。これは腹が立つ。台風だから休むつもりだというのは、私が家を出る前にはわかっていることだ。そもそも昨日の時点で、明日は台風だから休もうと思ったのなら、昨日の夜に塾に連絡するのが当然だ」そうです。

電車に乗れないから遅刻する
パニック障害 ?  社交不安障害?  自立神経失調症?
オンライン授業か、遅刻を見越して早く出かけましょう。

昼夜逆転している  
起立性調節障害?
午後の授業にしてもらいましょう。
だんだん、朝型にしていきましょう。そのために、三食と、就寝(二日に一時間ずつ早くしていく)起床(これも同じです)の時間を決めましょう。運動をしましょう。就寝前にスマホなど明るい画面を見たり、ブルーライトを浴びないようにしましょう。

日程の管理ができない  
ADHD(注意欠如多動症)?
きちんと伝えて、出願の前に「来週、出願です。忘れないでね」と言ってもらいましょう。親がいる場合には、親にも言ってもらいましょう。アプリと紙の両方で管理しましょう。

カウンセリングを受けている
カウンセラーに訊きましょう。
「大学受験をしても大丈夫か」
「大学に通うことができるだろうか?」
「受験勉強で三科目、きちんと学べるでしょうか?まずは得意科目からした方がいいでしょうか?」
「英語のように、講師、他の生徒の前で発音する授業に耐えられるでしょうか?」
「電車で塾に通えるでしょうか?」
「自分の考えを発言する英語、筆記する小論文などの授業に耐えられるでしょうか?」
「塾や予備校にどんな配慮を伝えたらいいでしょうか?」

集中できない 
ADHD(注意欠如多動症)?
例えば、60分授業では続かないのであれば、20分学んで、10分休憩して、30分学ぶというように、休憩を入れてほしいと伝えておきましょう。
10分の休憩は、雑談でも大丈夫なのか、一人にしてほしいのかを伝えておきましょう。
そもそも座っていられない。歩き回る、大声を出すということになると、他の生徒の邪魔になるので、オンライン授業にしてもらいましょう。
対面の場合、大学に入っても、講義を受けられません。大学受験までに、カウンセラー、セラピストの協力を得ておきましょう。

そもそもどんなことが苦手、どんな困難があるのかを知っておいて、早めにカウンセリングを受けて、セラピーを受けてということもしておきましょう。大学受験の学習を始めてから、実はこういう障害があったとわかるよりも、早くケアを始めた方が人生にとってはいいと思います。

なるほど、役に立ったと思ったら、下にある♡(スキ)を押してくださいね。


いいなと思ったら応援しよう!

本郷りんの皆伝 大学受験
サポートして下さると長く続けられると思います。これからも学んでいく費用に使うので、サポートを御願いしますね。