第40話 『背後』(BJ・お題 『ハロウィン』)
あの時からに違いない。きっとそうだ。私が背後に恐怖を感じるようになったのは。小さい頃のあるハロウィンの夜のことだ。この年になっても、この時のことだけはよく覚えている。
まだ物心ついたばかりの頃だった。お菓子をもらうために近所を歩き回って帰って来てからなかなか眠ろうとしなかった私達兄弟に、父が話を聞かせてくれた。どんな内容だったかは覚えていないが、ブギーマンが出てきたのと、話の最後で父が、早く寝ないとブギーマンがほら、後ろから襲ってくるぞ、と言ったのは覚えている。兄達が半ば