見出し画像

継続が大の苦手だった僕が毎日女子を10ヶ月も投稿できている理由を探ってみた

1年間、毎日女子を描くという企画『毎日女子』の投稿が、今日10ヶ月目を終えた。残り2ヶ月となったこの企画、継続が大の苦手だった僕がここまで一体どうやって継続してきたかを振り返る。

何度も言っているが、僕は継続が大の苦手だった。

今となっては信じられない人もいるかもしれないが、本当に本当に苦手だった。どれくらい苦手だったかというと、僕が叶えたくて仕方なかった雑誌連載の夢を追い、出版社に漫画を持ち込んでいた頃、担当編集の方から言い渡された、連載に近づくための週1回の課題を、たった2ヶ月でサボってしまうくらい継続することが大の苦手だった。

おわかりいただけるだろうか。

叶えたくてしょうがなかった夢に近づくための課題ですらこの程度だったのだ。他にはじめた何かがことごとく3日坊主に終わることは、僕にとってごくごく自然なことだった。

そのくらい継続が苦手だった僕が、今年の1月1日から毎日女子を描くという壮大なミッションを始めて10ヶ月が経った今、改めてどうやって継続してきたかを振り返り、残り2ヶ月の継続に活かしていくという記事だ。興味があったら読んでもらっても構わない。


2019年の夏頃だった。僕は自分の継続の出来なさに猛烈に悩んでいた。継続の重要性は理解していた。当時調べていた成功者が軒並み継続力が凄まじいことを知り、継続が成功のための前提条件という見解に辿り着いた。継続が成功のための条件ということを重々認識した上で、本気で取り組んだ毎日漫画投稿は、わずか9日で幕を閉じた。


「自分は継続ができない人間なんだ」と、悲観した。その考えは、僕が絶対に成功者になれないこととイコールだった。それだけは何としても否定したかった。

何とか成功者になりたい僕は、身近にいる〝継続の師〟の助言を仰ぐことにした。

1人目の師は友人だった。

彼は継続ができるタイプだった。中学の頃から毎日筋トレを欠かさず行い、ダイエットに成功していく様子を、僕はリアルタイムで見ていた。僕がブログの更新を2週間で挫折したあとも、彼は淡々と毎日記事を投稿していた。2年間毎日ブログを書き続け、収入が10万円を超えたと彼から聴いたのはつい最近のことである。

そんな彼に当時の僕はこう聴いた。
「何でそんなに継続できるの?」

彼は答えた。
「私は知ってるんですよ。継続すれば成果が出るということを」

彼は中学の頃、ダイエットに成功した原体験から、継続の効果を実感していた。継続の効果を知っているから、毎日続けることができると彼は言うのだ。

しかし、継続の効果を実感したことのない僕にとっては、正直何の役にも立たないアドバイスだった。

2人目の師は、喋りのプロだった。

彼は音声コンテンツを毎日配信していた。当時で1000日近く、毎日配信を続けていた。僕が継続ができずに悩んでいるところに、彼はこう言ってくれた。

「宣言しちゃうと案外出来るもんですよwそして僕は今日も902回目のvoicyを更新します(*´ω`*)」


そう言ってくれた彼に僕はこう答えている。

「宣言してもできなかった過去もあるので、ボクはボクのペースでやっていきます。「今日もできた」が続くようにがんばります。」

なんとまぁ、人の言うことを素直に聴けない男である。彼の言うこともまた、当時の自分にとっては役に立たないアドバイスだった。

3人目の師は、天才美少女漫画家だった。

彼女は「日刊あんじゅ先生」という漫画を、当時で200日ほど毎日投稿していた。そんな彼女が僕に言った。

「とりあえず1コマか2コマ描いちゃえばいいんだよw」


そうアドバイスしてくれた彼女に僕はこう答えた。

「ボクはそこに抵抗があるんですよね。描くならなるべくしっかりしたものを描きたい
プライドなのかな?」

うるせぇよと、当時の僕に言ってやりたい。まったく僕はつくづく人の話を聞かない。彼女のアドバイスも、当時の僕にとっては無意味だった。


こんな、何の役にも立たない3人の助言が、神々しいく輝く金言へと変わるのは、それからしばらく経った後だった。


僕は割と考える方だ。

日常を何気なく過ごしていても、頭の中は常にぐるぐるしている。今まで得てきた情報が点のように存在していて、それぞれが交差し合っている感覚だ。

そんな交差し合っている点と点が、繋がる瞬間が訪れる。

世ではこの現象をエウレカというらしい。そのときの僕にもそれが起こった。これまで得てきた情報が、点と点がつながっていく。

「描こう」

僕は突然そう思った。毎日継続するコンテンツを投稿することに決めたのだ。

なぜ突然そう思ったか。きっかけとなったのは、これまで『師』と記載してきておきながら、尽く助言を無視してきた彼ら彼女らの言葉だった。

1人目の師はこう言った。

「私は知ってるんですよ。継続すれば成果が出るということを」

僕はこう考えた。

「継続の成功体験がないのなら、これから作ってしまえばいいではないか。」

では、継続の成功体験を作るためにはどうしたら良いのか。継続の成功体験すらない僕は、継続を成功させる前にやるべきことがあると考えた。まずは継続ができる体になること。継続という習慣をクセづける必要があると考えた。

では、継続という習慣をクセづけるためにはどうすればいいのか。僕は今までの、継続ができなかった過去を振り返る。そこに一つの欠陥があることに気づいた。

継続することのハードルが異常に高かったことだ。

漫画家志望の頃、2ヶ月でサボったという出版社の担当編集さんから出された課題は、〝週刊連載の作品の原稿1話分(20ページ)を、そっくりそのまま写して描くこと〟だった。1週間ごとに、プロの作画原稿を20ページ模写して担当編集さん宛に送らなければならなかった。

その他、Twitterに漫画を毎日投稿して9日間で挫折してしまったときは、4ページフルカラーの漫画を毎日投稿していた。

これだけ大変な作業をこなしていては、継続ができないのも無理はない。そう思ったとき、響いてきたのが、3人目の師の言葉だ。

「とりあえず1コマか2コマ描いちゃえばいいんだよ」


僕は天才かと思った。リアルタイムでその言葉をいただいたときとは打って変わって、「天才か!!!」と思ったのだ。継続すること以前に、継続という習慣をクセづけるためには、継続する内容のハードルを極端に下げればいいのだと考えた。


僕はクオリティにこだわることをやめ、とにかく投稿することにこだわった。


これだけでも継続できるか不安だった僕に、2人目の師の言葉が降りかかる。

「宣言しちゃうと案外出来るもんですよ」


以前、Twitterで「毎日漫画を投稿する」と宣言して、9日で挫折したときは、始める前に一度宣言しただけだった。2人目の師は、配信しているコンテンツ内で、「毎日配信」を毎回宣言していた。僕に足りないものはこれだと気づいた。

僕は『毎日漫画』と題して、継続をクセづける目的のコンテンツを毎日投稿し始めた。

結果的にこの『毎日漫画』は、177日間の毎日投稿を記録した。継続が大の苦手だった僕にとっては、何か一つのことを177日間毎日継続することが奇跡に思えて仕方がなかった。

しかし、奇跡ではなかった。

毎日漫画が2ヶ月続いた時点で、継続がクセづいたのではないかと判断した僕は、いよいよ〝継続すること〟を目的としたコンテンツを始める。それが今日まで305日間投稿が続いている『毎日女子』だ。

これまでの経験を踏まえ、継続のためのポイントを意識し、今年の1月1日から『毎日女子』は始まった。

・継続のハードルを最小限にすること
・公の場で継続すること
・コンテンツの投稿ごとに毎日やると宣言すること

『毎日女子』ではこれらを徹底した。

どんな女子でも描いて投稿すればOKなことにした。顔だけでも、後ろ姿でも、色塗りはほどほどでも、とにかく描いて投稿すればOKにした。Twitterに継続のコンテンツとして投稿し、多くの人に見てもらうことで逃れられない状況を作った。投稿ごとに、「1年間、毎日女子を描いていきます!」という文言をつけることで、自分に継続の意志を言い聞かせることにした。


そうやって今日まで、『毎日女子』は続いている。


正直なところ、『毎日女子』の継続のハードルは徐々に上がっていて、1コンテンツ当たりの制作時間が膨大に膨れ上がっているのだが、一昨日あたりから時間短縮のコツを覚えたのでひと安心している。このままだと無事に1年間の継続ができそうだ。

継続は奥が深い。継続がクセ付いても、長く続けていると別の問題が出てきたりする。その辺りのことも、少しずつ記事にしていこうと思う。一部はこの間書いたので、興味があったら読んでほしい。
https://note.com/kaichiro_ishii/n/n2ed59ecf7d4d


残り2ヶ月と言えど油断はできない。1日でも投稿をサボってしまえば300日以上の毎日投稿記録が台無しになるのだから恐ろしい。

こうして過去を振り返り、思考をまとめ、初心に帰ることができた今日からもう一度、一歩を踏み出していこうと思う。まずは目の前の1日。その繰り返しが、1年間の継続を達成すると信じている。


ーーーーーーーーーーーー


毎日女子を投稿しているかいちのTwitter
https://twitter.com/KAICHIRO_ISHII

毎日女子を投稿しているかいちのInstagram
https://www.instagram.com/kaichi_illustration

いいなと思ったら応援しよう!

かいち
サポートでいただいたお金は全て創作活動に使わせていただきます!必ずいい作品をお届けします!