シャインマスカットをどう売るか
現在、日本全てのサービス提供者が共通して抱えている問題は、以下の二つ。
①人口が減少している。
②技術が発達しすぎて機能や品質で差別化を図ることが難しくなってきた。
("機能検索"より"人検索"の時代と僕が毎日口を酸っぱく言っております。新メンバーの方は機能検索から人検索に推移している時代を遡って勉強してみてください。)
もう少し踏み込むと「ユニクロ」のような多額の資本力と世界中への店舗展開で、相当のロット数を生産することで、一つ当たりの原価を抑えれる企業で無いと薄利多売の低価格&高品質の追及はなかなか難しくなってきてるのが今の時代です。
(YouTuberのヒカルさんの服が爆発的に売れているように製品の品質でなく人で差別化を図ってる場合は大丈夫。)
今、日本は「コモディティ化」が進んでいて
(商品サービスが同時に発売され商品同士の差別化が図れなくなり市場価値が下がること)
冒頭でも話した通り、「機能検索」の時代は終焉を迎えている。
機能の勝者は一人だけでいいからだ。
(Googleの次に検索で使うものなんていらないよね?)
多くの企業は機能でなく「人検索」のシフトチェンジを求められている。
同じサービスなのに値段はちょっと高くなるけど応援している。
「あの人」から「あいつだから」買いたいみたいな感覚です。
今、僕らが議論しないといけないのは製品の質やサービスの向上を磨くより「"あの人"や"あのサービス"になる方法」です。
その方法のことを「ブランディング」の言います。
「ブランディング」を磨く必要があるということです。
わかりやすくいえば、同じ事象でも物事の価値を高めることであり
1杯100円の水も、僕が「この水を飲めば痩せる」といえば1000円でも売れます。
「ユニクロの服にルィヴィトンのロゴがつく」だけで値段は10倍にもなるでしょう。
それが「ブランディング」です。
僕達はこれから「ブランディングする技術」を磨いていかないといけません。
「ブランド」という言葉を、少し聞こえが悪く尚且つ分かりやすく言語化すると「価値があると皆に信じ込ませることに成功したモノ」です。
『ブランド』は、お金とよく似ていて「共同幻想」です。
「お金」というのは実に不思議な存在です。
だって「ただの紙切れ」でしかないです。
国の偉い人が「この紙切れには、1万円の価値がある」と言語化すれば皆が真に受けて信じてしまったから、あの紙切れに『1万円』の価値が発生しています。
「1万円の原価知ってる人いますか?」
「24円ですよ???」
僕らは24円の紙切れに振り回され、必ず「お金」の壁にブチ当たります。
本来人間が生活の自由度を上げる為に開発した「お金」によって生活を縛られ、あの紙切れの価値は、存在しなかったものなのに、手元から無くなった瞬間に、絶望し、命を絶つ人もいます。
あの紙切れを「お金」とするには、皆に「これは、ただの紙切れじゃない!」とブランディング(価値付け)されたからです。
物物交換が主流だった「自然経済」からの転換期に、
お金には
「保存ができる』
「交換ができる』
「価値のモノサシになる(1円-1万円まで)
機能が搭載されている。
すぐに腐ってしまう豚肉を持ってきて「これは、1万円だ」と言っても、誰も価値を感じません。
また「数量」の問題もあります。
国が1万円札を刷りまくり世間にばら撒き、その辺に1万円札が落ちている状態になってしまったら、誰もその1万円札に「1万円の価値がある」とは思わなくなる。
「Supreme×ルイ・ヴィトンが凄いプレミアム価格になったのに対し、最近のルイヴィトンがプレミアム価格にならないのは、生産量を増やしすぎて誰でも手に入るようになった為、価値を感じなくなってるからです。
昨日、友人の家に行った時に「高級シャインマスカット」がありました。
それのブドウはさぞ売れているみたいです。
果物の女王様「シャインマスカット」
「笑うのを忘れるほど夢中になるシャインマスカット」ネーミングもいいです。
オーナーさんが特に拘って作っておられるのが『一粒500円の大きな大きなシャインマスカット」
この一粒を作る際に(栄養を集中させる為)他のマスカットをたくさん切り落とします。
その為に毎年、採れる数が決まっているみたいです。
通常一房5000円が相場の中、一房30000円~40000円で販売するも一瞬で完売。
この「シャインマスカット」をブランディングする時には、お金を価値あるものにしたとき同様に「ブランド品にする為の条件」があります。
そこをキチンと踏んで「価値がある」とお客様に信じてもらわないといけない。
こちらのオーナーは
・年間に何房しか生産しないというのを前面に押し出した。
・売れても畑を拡大し、採れる数を増やさない。
#お金を刷りすぎるのと同じ
#ルィヴィトン見習ってくれ
・販売ページで、残りの房数を出している。
残りが少なければ少ないほど購入意欲は増す
マスカットの「品質」の話なんて1ミリもしていません。
「全て価値があると信じこませるには、どこを押さえないといけないか?」という話ばかり。
ブランディングの例を挙げますと、KAISALONでも講演頂いた、ドバイの国王に依頼され一点の絵画に一億円の値がつく日本人書家「憲真(けんしん)」さんは『生涯に100作品しか書かない』という明確なルールがあります。
作品内容は勿論のこと「数」でも価値を創造してあるわけですね。
【ドバイの国王も絶賛!】話題の覆面書道家のアトリエを大公開!【春木開のKaiTube】
以前『一万円カレー』というのが少し話題になりました。
伊勢海老やアワビなどが入っていて原価が高いです。
結果、そこまでの利益が発生していません。
これだと結局「薄利多売』の枠から出ていないんです。
最近ホリエモンが出して話題になってる『一万円ラーメン』は「特に派手な具材を見せつけて、見映えするラーメンにせずに、とにかく見た目は普通のラーメンにする。その方が会話のネタになるじゃん」との回答をされていました。
「食」の素材で差別化は図れない為「コミュニケーション」と「話題つくり」を販売しているようです。
同じ金額で1杯1万円のラーメンを食べてきた方が、1食1万円の焼肉食べるより話題作り(SNS発信)するにはいいネタになります。
コモディティ化して全員が「より良いもの」を作れるようになったので、「より良いもの」の価値が下がった現在。
どこにでもあるプロダクト(生産物)は売り物にならなくなってきたので、
「ブランディング」が人にも物にも求められています。
僕らは「どの条件が揃った時に、そこに価値が生まれるのか」ということを、様々な視点から学び磨いていくことがこれから日常の生活でも求められていくと思ふ。