福岡貴善

東京オリンピックの年に生まれ。 2020年春、30年近くつとめた出版社を退職し、長野県松本市に移住。 facebook:https://www.facebook.com/takayoshi.fukuoka.9 twitter:@fukuoka_t

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マガジン

  • Kpopについて

  • ウルトラマンA覚え書き

    1972~73年にかけて放映された「ウルトラマンA(エース)」。唯一、女性隊員が男性隊員と合体して変身するという斬新な設定はなぜ途中で放棄されたのか、なぜその後のウルトラシリーズでも変身する女性キャラは登場しないのか、様々な視点から考察します。

  • 時事雑談

  • 編集者時代の思い出

最近の記事

なぜ東京藝大はピアノを撤去し、秋元康氏を招聘したのか

数日前、twitterで以下の投稿が話題になった。 この投稿についての反応は以下のとおりだ。 東京藝大は学費が上がった一方で、ピアノが撤去されるだけではなく、生協が消え図書館の購入費まで削減されていた - Togetter 東京藝大は、言わずと知れた、西洋クラシック文化の担い手の育成機関として、日本でも有数の学校だ。その東京藝大が、学生が練習に使うグランドピアノを撤去する一方で、海外では児童ポルノ的とも言われているAKBグループのプロデューサであり、世界的人気を誇るBT

    • 私には何も変えられない/池江璃花子の呟きと、現代日本のニヒリズム(+付記)

      上に引用した池江璃花子選手の発言で、ぼくがもっとも引っかかったのは、次の一節だ。 私に反対の声を求めても、私はなにも変えることができません。 競泳の池江璃花子さんについては、ぼくはその活動をまったくフォローしていなかった。どんな競技者なのか、どんな女性なのかも、まったく知らない。 そもそも、競泳という競技じたいに興味がない。競泳の特殊性は、競技の大部分、アスリートの身体は水面下に隠れており、観客は、アスリートの動きをほぼ見ることができない点にある。だから最近の中継には、

      • 映画「ミナリ」とブレイブガールズの逆走

        もう旧聞に近いけれど、2021年のアメリカ・アカデミー賞で、ユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞した。 昨年のアカデミー賞では、ポン・ジュノ監督の「パラサイト」が、作品賞、監督賞、外国映画賞、脚本賞と四冠に輝き、韓国映画の勢いがついに映画の本場でも認められた印象があった。 今年の、ユン・ヨジョンの受賞は、本来、「パラサイト」とは違う文脈で語られるべきだと思う。何より、彼女が出演した映画「ミナリ」は、アメリカ映画だからだ。 ただ、もしこの映画が20世紀に造られていたら、と想像

        • 出川哲朗氏と、アイヒマン裁判における「悪の凡庸」問題(4/15追記)

          元モデルのマリエさんが、SNS上に過去に強要された性接待について告白し、話題になっている。 twitterでは、「#マリエさんに連帯します」とハッシュタグつきで、彼女の勇気ある「告白」を支持する声がある一方、テレビでは、一週間がすぎた現在でも(4月10日)、ほとんど取り上げられてないらしい。今日のお昼、偶然テレビをつけたら、旅番組でダチョウ倶楽部の面々とともに、笑顔で港町の皆さんと接する出川哲朗氏の場面が流れていた。 性接待を強要した島田紳助氏は、10年前に暴力団との交際

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          レニ・リーフェンシュタールのこと

          最近、松任谷由実がラジオで、尊敬する女性としてレニ・リーフェンシュタールを挙げたことが、SNSでプチ炎上している。以前、リーフェンシュタールと市川崑との対談についての思い出を書いた事があるが、どちらかというと、市川監督がメインだった。今回は、自分なりのレニ・リーフェンシュタールという、歴史に残る女傑について、10年以上前にブログで書いた記事を再掲したい。 *************** 最近、『レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実』という本を読んだ。「真実と嘘」ではなく「

          レニ・リーフェンシュタールのこと

          新しい世界へ! 少女時代の革命歌Into the New World

          昨夜遅くまで、以下に並べた動画を見ながら、ぼろぼろ涙を流していた。 2月25日、韓国の音楽番組『ミュージック・カウントダウン(略称Mカ)』で、Iz*One、Weki-Meki、(G)I-DLEの3グループのスペシャルコラボステージで、少女時代(Girls Generation)のデビュー曲「Into the New World」が披露された。 反響は日本でも素晴らしく、Twitterのトレンドに「Into the New World」があがったほどだった。特に、日本の古参

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          キム・ギドクの死/映画『サマリア』

          母国では長らくマイナー扱いで、国際的には高く評価され、2012年に「嘆きのピエタ」がベネチア国際映画祭でグランプリを受賞し、母国でもやっと巨匠扱いされたものの、女優やスタッフに対する性犯罪が発覚して失墜したキム・ギドク監督が、コロナで亡くなった。 独学で映画を学び、後ろ盾もないまま、独立独歩で映画を作り続けてきた人だった。演出に、特に、美少女を美しく描くことにかけては独特のセンスがあり、個人的には韓国版の岩井俊二だと思っている。 だが、ストーリーじたいは、男性(というかお

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          2020年はGfriend(ヨジャチング)の年だった、異議は認めるが拒否する

          Gfriend(ヨジャチング)の新曲が昨夜リリースされた。題して『Mago』 ぼくは、Gfriendの献身的なファンではない。数年前からk-popにはまったけれど、特定のグループのファンであったことはない。その時々に、すてきなパフォーマンスを見せてくれるグループを応援してきた。 Gfriendに関しては、以前、『Gfriend(ヨジャチング)少女達のメタモルフォーゼ』という記事を書いたことがある。4年前に偶然モンゴルのホテルのテレビで見た彼女らのパフォーマンスに魅せられて

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          唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(3)彼女にリアルを与えた脚本家/『ウルトラマンA』覚え書き(33)

          というわけで『ウルトラマンティガ』第3話。シリーズ唯一の女性隊長、高樹澪演じるイルマ・メグミの存在意義も、いや、物語の構造や全キャラクターの設定そのものが曖昧模糊のまま2話を消化してしまった『ウルトラマンティガ』に革命が起こる。それが第3話「悪魔の預言」(脚本=小中千昭、監督=村石宏實)だ。以下、やや詳しく紹介したい。 開始早々、テレビの情報番組にゲスト出演している我らがイルマ・メグミ隊長。突如地球に出現するようになった怪獣、そして怪獣を退治する巨人(第2話でウルトラマンテ

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          唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(3)彼女にリアルを与えた脚本家/『ウルトラマンA』覚え書き(33)

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          唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(2)彼女の耐えられない存在の軽さ/『ウルトラマンA』覚え書き(32)

          1996年9月に放映開始した『ウルトラマンティガ』は、それまでのウルトラシリーズの設定を、すべてリセットする形で始まった。 初代『ウルトラマン』から『ウルトラマン80』まで共通しているのは、地球は常に怪獣の出現や宇宙人の侵略に悩まされ、それに対処する組織として地球防衛軍が存在し、その極東支部、あるいは日本支部として、主人公が所属する少数精鋭の部隊を中心に、ドラマが展開される。部隊の名称は、初期は科学特捜隊(ウルトラマン)、ウルトラ警備隊(ウルトラセブン)と日本語表記だったが

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          唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(2)彼女の耐えられない存在の軽さ/『ウルトラマンA』覚え書き(32)

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          唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(1)/『ウルトラマンA』覚え書き(31)

          久しぶりに本連載を更新する。 『ウルトラマンA』が終わった後、ぼくはウルトラシリーズの熱心な視聴者ではなくなった。そのせいもあって、『ウルトラマン』のフジ・アキコ隊員、『ウルトラセブン』のアンヌ隊員、そして『ウルトラマンA』の南夕子隊員のような、印象的な女性キャラに出会うことはなかった。 『ウルトラマンA』の後の『ウルトラマンタロウ』(1973-74)は、ウルトラ兄弟の末っ子という性格を強く打ち出したせいか、甘えん坊のタロウとウルトラの母(ペギー葉山)との関係性だけが印象

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          唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(1)/『ウルトラマンA』覚え書き(31)

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          大坂なおみ選手は、ナニジンか?

          ぼくは、大坂なおみ選手のファンではない。 テニスそのものにたいして興味がないぼくだけれど、大坂なおみ選手が2018年の全仏オープン、2019年の全豪オープンを制した際のフィーバーに、ある種の違和感を覚えずにはいられなかった。その違和感とはむろん、大坂なおみ選手についてではなく、大坂なおみ選手をめぐるぼくたち日本人についての違和感である。 大坂なおみ選手の快挙は「日本人初のグランドスラム制覇」として語られた(言うまでもなく、グランドスラムとはテニスの四大大会のこと。具体的に

          大坂なおみ選手は、ナニジンか?

          幼児性愛者を教職につけてはいけない/当たり前すぎるでしょ。

          率直に言えば、幼児性愛者に教職員免許を与えてはダメだと思う。 ぼくは、小学生バスケットボールの運営に携わった事がある。その経験からいっても、まだ幼い異性に、性欲を覚えるのは、病気だと思う。 小学生の女の子のなかには、ビジュアルの素敵な子もいれば、わざと大人にエロい話をぶつけるおませさんもいる。 坂口安吾が『風と光と二十の私と』で書いたように、すでに「女らしさ」を発揮する子もいた。 でも、やはり彼女らは、子供だった。保護されるべき存在であると同時に、主体性を延ばしていくべき

          幼児性愛者を教職につけてはいけない/当たり前すぎるでしょ。

          Oh My Girlユア、ソロデビュー/少女たちだけに見える世界

          Oh My Girlのメンバー、ユアのソロデビューが配信されはじめた。 ぼくが初めて彼女の事を意識したのは、2017年にKBSで製作された「アイドルドラマ工作団 花道だけ歩こう」だった。ユアをはじめ、MAMAMOOのムンビョル、Red Velvetのスルギ、Lovelyzのスジョン、SONAMOOのディエナ、I.O.Iのソミ、C.I.V.Aのソヒ(現、NATURE)といったKpopガールズグループのメンバー7人が一同に会し、ドラマを作るというリアリティ番組だ。 7人が、練

          Oh My Girlユア、ソロデビュー/少女たちだけに見える世界

          経済か安全か神話

          今朝のワイドショーで、新型コロナ禍の、いわゆる文科会に経済学者等が加入した事について、感染症専門家だけの独立性の強い組織にしないと、「経済か安全か」の選択肢において、どうしても「経済」が優先される、という議論を展開していた。いつものように潔癖症の玉川徹が、接触を8割減らせのロックダウンしろの長広舌を振るっていて、頭が痛くなった。 なんで、そういう2分法になるのだろう? ぼくは原則、PCR検査の拡充に賛成だ。なるべく多くの無症状感染者を発見して、きちんと隔離すべきだと考えて

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          南夕子とは何者だったのか(2)妹よ、永遠なれ/『ウルトラマンA』覚え書き(30)

          前回、水島新司の漫画『野球狂の詩』に登場する水原勇気について書いた。書き終わった後、妻とその事を語り合った時、彼女は水原を「無色透明」と形容した。なるほど、水原勇気を表現するのに、これほどぴったりな言葉はないかもしれない。 水原は、つきつめれば単に野球が好きな女の子にすぎず、それ以上でも以下でもない。そんな彼女を、プロ野球選手に仕立て。ドリームボールを教え、そのドリームボールを打とうと奮闘するのは、岩田鉄五郎をはじめとする個性豊かな男たちだ。男たちが頑張れば頑張るほど、水原

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          南夕子とは何者だったのか(2)妹よ、永遠なれ/『ウルトラマンA』覚え書き(30)

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