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短編小説

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5分かからず読めるような短編小説のまとめです☺︎
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2020年12月の記事一覧

宇宙船こたつ号

宇宙船こたつ号

 目の前にはミカンの積まれたカゴ、スナック菓子、カフェオレ、テレビのリモコン、携帯、充電器、ゲーム機。もちろん身体はこたつの中。
 完璧。わたしの年末年始はこれで決まりだ。ほぼ動かずに何処にでも行ける、宇宙船こたつ号。
 あとは邪魔さえ入らなければ。

「ねぇお姉ちゃんってば」
 ゆさゆさ、身体が横揺れしている。もちろん地震ではなくて、妹のせいだ。
「なによ」
「さっきから呼んでるんだけど」
「だ

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サンタクロースと彼女について

「わたし、サンタさんをみたことがあるの」
 大真面目な顔で言うもんだから笑っていいのかわからなくて、とりあえず苦笑いを浮かべてみた。もう一度彼女をみても自信満々なのは変わらないから、これは本気のヤツだと確信。しかもゲームでよくあるような、話を聞かないと先に進めないパターンだ。

 さりげなく、ちょっと頭の悪いふりをして聞く。
「そもそもさ、サンタクロースってほんとにいるの?」
「え、当たり前じゃん

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イルミネーションと子どもたちについて

イルミネーションと子どもたちについて

 夏休みに読もうと借りていた本は、十二月になっても開けないままだった。
 特に読まない理由はないのだが、今日はいいや、を繰り返した結果半年が過ぎた。

 図書館からは催促のメールが月イチで届く。定型文には図書館特有の温かさを感じられなかったけれど、無機質さはわたしを責め立てているようだ。
 申し訳なさがあるうちに返却しようと決め、手近なトートバッグに図書館の利用者カードと借りた本を入れる。

 外

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イルミネーションとプレゼントについて

イルミネーションとプレゼントについて

 目に飛び込んでくるイルミネーションは、痛々しかった。

 バイト帰り、イルミネーションに照らされた街を睨んで歩く。
 商店街の街路樹も、デパートの中も、一軒家の玄関も。どこもかしこも、すっかり煌めいている。
 クリスマスツリーのオーナメントは、パンと似ていると思う。世の中の綺麗なものをぜんぶひとつにまとめて捏ねて、小さく切り分けて、丸めて発酵させたらできあがり。パンみたいに美味しくないのだけが残

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