見出し画像

『少年泉鏡花の明治奇談録』

峰守ひろかず著
ポプラ文庫ピュアフル


時は明治二十一年、金沢の街の一角にある「井波塾」で、英語教師の傍ら奇怪な噂話を模索する少年、鏡太郎(後の泉鏡花)と、車夫の義信のふたりが遭遇する、数々の怪事件のお話。
泉鏡花の作品は、幼い頃の経験が元になっているとしたら…?

怪異な世界への愛溢れる峰守ひろかず氏の幅広い知識と想像力から生まれた珠玉の賜物。


恥ずかしながら、この年になるまで、泉鏡花作品を読んだ事がなかった。
そこで、ウィキペディアを紐解いてみることにした。

泉鏡花
泉 鏡花は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説のほか、戯曲や俳句も手がけた。 金沢市下新町生まれ。尾崎紅葉に師事した。『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家になる。江戸文芸の影響を深く受けた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで、幻想文学の先駆者としても評価されている
1873年石川県金沢にて生まれる。
父は加賀藩御用達の彫金細工職人であった。
10才の時に母を失い、幼な心に強い衝撃を受けたことが、後々作品の中に反映されている。
15才で日本基督一致教会のミッションスクールをやめ、「井波他次郎私塾」で英語などを講じた。

ウィキペディアより

尾崎紅葉に師事し、小説に目覚めた鏡花は怪奇物ではあるが、その根底には切ない恋物語や、親子の情の確執などを描き、開国後の混乱の世相を織り込んだ作品で世間に認められてゆく。

本作品は、鏡花が小説に目覚める前の、井波塾にいた頃の設定である。

色白で華奢な少年は、相手が大人であっても物怖じせず、大きめの丸眼鏡の奥からキラキラとした目で怪奇話を聞き漁る。
鏡花に英語を習いにやって来た、車引きの義信は高額な受講料と引き換えに仕事がら見聞きする、不思議な怪奇話を教える事になる。

果たして、ふたりのゆく先々に起こる、怪奇な事件の真相は如何に?

ワクワクと頁を捲る手が止まらない。


鏡太郎の小憎らしい中にも、母への思慕を素直に語る少年らしさが可愛くてたまらん🎵

実直で気の優しい義信が、英語を習いにきた本当の理由に、胸が詰まる…💦

彼に思いを寄せながらも、売り言葉に買い言葉でやり合う、貸本やの瀧ちゃんが微笑ましい。

そんなケンカ馴染みの瀧が、人柱にされそうになった時には、多勢の村人を前に勇敢に立ち上がり、生け贄のからくりを暴き出す‼️
その凛々しいことと言ったら~❤️

ぜひぜひ、シリーズ化してほしい❗️

泉鏡花の作品を読んでみたいと思った💕


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集