『少年泉鏡花の明治奇談録』
峰守ひろかず著
ポプラ文庫ピュアフル
恥ずかしながら、この年になるまで、泉鏡花作品を読んだ事がなかった。
そこで、ウィキペディアを紐解いてみることにした。
尾崎紅葉に師事し、小説に目覚めた鏡花は怪奇物ではあるが、その根底には切ない恋物語や、親子の情の確執などを描き、開国後の混乱の世相を織り込んだ作品で世間に認められてゆく。
本作品は、鏡花が小説に目覚める前の、井波塾にいた頃の設定である。
色白で華奢な少年は、相手が大人であっても物怖じせず、大きめの丸眼鏡の奥からキラキラとした目で怪奇話を聞き漁る。
鏡花に英語を習いにやって来た、車引きの義信は高額な受講料と引き換えに仕事がら見聞きする、不思議な怪奇話を教える事になる。
果たして、ふたりのゆく先々に起こる、怪奇な事件の真相は如何に?
ワクワクと頁を捲る手が止まらない。
鏡太郎の小憎らしい中にも、母への思慕を素直に語る少年らしさが可愛くてたまらん🎵
実直で気の優しい義信が、英語を習いにきた本当の理由に、胸が詰まる…💦
彼に思いを寄せながらも、売り言葉に買い言葉でやり合う、貸本やの瀧ちゃんが微笑ましい。
そんなケンカ馴染みの瀧が、人柱にされそうになった時には、多勢の村人を前に勇敢に立ち上がり、生け贄のからくりを暴き出す‼️
その凛々しいことと言ったら~❤️
ぜひぜひ、シリーズ化してほしい❗️
泉鏡花の作品を読んでみたいと思った💕