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映画鑑賞『無名』


5月3日、待ちに待った上映日❗
座席も予約していざ参戦。
ところが、上映ホールの座席が平坦なタイプで、客席も八割埋まっている状態。
まえの座席に大柄な観客が座っていたために、画面ど真ん中が半分塞がれると言う事態に!

おかげで、字幕どころが、肝心なシーンがまともに観れないという悲しい結果に~😱

なので、再び本日5月7日、今度はゆったりと座れるシアターで、一番後ろの通路側で確保。

思う存分たのしんで来ました。


結末がわかっているのに、面白いの?と聞かれるかもしれないが、2回目だからこそ気づいた重要な点がいくつかあった。
ネタばれのない範囲で上げて見よう


鏡の演出

どこか日本風のメロディが流れるラウンジ。
ひとり佇む美しい女性。
カメラが引いてくると、ある一点を見つめるイエ(ワン·イーボー)がガラスを背に立っている。
女性はチャン·ジンイー演じるファン。彼女はガラスの中に写し出された映像だ。
夜の窓ガラスを鏡にふたりの緊張感のある関係が暗示される。

あるいは
洗面所で身繕いをするイエ。
ガンベルトを仕込みネクタイを選んでいる。
その鏡は彼の表情を淡々ととらえる。
ダークなネクタイを決める瞳に宿る怒りを写しだす。

様々なシーンに登場する鏡の演出。
どんな意味があるのかを推理しながら観るとおもしろい。


言葉の演出

日本人諜報員、渡辺は完全日本語のみなのに、トニーレオン演じる中国諜報員幹部フーはその日本語に対しすべて中国語だ。
これは、あまりに不自然だが、当時のような政治的な会合は母国語を話すことで威圧感を与えていたのだろうか?
幹部のフーから見れば一介の日本の諜報員である渡辺には、日本語は理解しているが、当局は母国語を徹すみたいな力関係を現しているのかも。一方、フーの部下であるイエは渡辺に対して日本語を話している。

ただ、渡辺が中国語を話さないのは中国当局に対しての虚勢に見えてしまう。


本国では、日本語のみが字幕なのだろうか。

いぶし銀とプラチナの共演

「ラスト·コーション」で美しい女性スパイに奔走させられる軍幹部を演じたトニー·レオン
冷徹な中に哀愁を含む彼の演技はあの頃からさらに磨きがかかり、本作でも存分に魅力がアップしていた。
それは使い込まれたいぶし銀の刀のよう。

一方のワン·イーボーは触れれば容赦なく切れるジャックナイフのような演技力。特に彼の瞳の演技、その表情の細やかな変化には、やられた。

同僚の裏切りに絶望するひとすじの涙。

笑顔のあと、振り返り様に怒りへと変化する顔。

中国映画界を席巻してきた重鎮トニーと将来を担う期待のワン·イーボーが同じスクリーンで観られることは幸せなことである。

最後にやはり
一番の見どころはふたりの格闘シーンだが、手に汗握る圧巻の時間で、どちらにも感情移入してしまいめっちゃ疲れた。
力入れすぎて、首が寝違えた気分だった。

その迫力は是非劇場で‼️

追伸❗
エンディングはワン·イーボーの美声です😌💓



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