🎩BLワールド備忘録🌠コミック編💍『やたもも』✍️

『やたもも』
はらだ
2014年～2016年竹書房
（画像kindol）

「お兄さん、たまってない？抜いてやっから泊めてくんない？」
オカン系男子でうぶで純朴な八田やたちゃんはランニング中に公園のトイレで”事後処理中”の 百田モモに出くわす。
今夜泊まるところがないというモモ。
生活能力ゼロ、究極ビッチでクズでろくでなしのモモに説教するが、のらりくらりと他人に寄生して歩くモモをほっとけない八田ちゃん。
気づけば居着いてしまったモモ。
下半身を武器に金をせびるモモに頭を抱えるが可愛さに負けてしまう。
「躾しつけろ、甘やかすな」と友人に諭されるものの捨て猫見たいな上目遣いを思い出すとどうしてもつき離せない。
ところが、八田ちゃんの夜伽実は絶倫に身体的危機を感じたモモが働くといいだす‼️
モモの自立を見守ることを決意したはずだったがバイト先のオーナー須田がなんとモモの元パトロンと知って八田ちゃんがとった行動とは…⁉️

✨✨✨
【ネタばれ有りマス】
R-18  エロ度⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

子猫を見捨てた苦い思い出から「俺は見てみぬふりは絶対しない。それが余計なお節介でも」と自分の生きる道を貫く八田ちゃん。

どんなに辱しめられてもヘラヘラ笑うモモがあの時見放した猫に見えてしかたがない。
同情からはじまった感情はやがて愛情にかわるのか？
年上なのに淫乱でろくでなしのモモを「愛おしい」と思ってしまう。

作中八田ちゃんの家族や仕事はあんまり出て来ないけど後半、モモのアパートの隣人栗田の情報に依ると手のかかる姉たちがいることやバイト先がペットホテルということから世話焼きでまっすぐな性格が想像出来る。

モモへの気持ちが強くなるほど「俺ばっかりがなんでこんなに…」とモモにとっては自分は特別じゃないんだと自虐的に落ち込んでしまう八田ちゃん～💦うう…切ない。

一方、依存してるように見せかけて実は誰にも心を開くまいとしているモモ。
そうしないと生きて行けなかった過去があるから。
いつか離れてしまうなら始めから期待しちゃいけないと愛を拒否って来たモモ。
それなのにうざいくらい過保護の八田ちゃんに安らぎを感じていく。
「やべ…どうしよう、おれ、八田ちゃんが好きだ」とベランダでうろたえるモモ。自覚はしても、死んでも口に出せないと落ち込む。

須田に戻ってこいと命令されて「俺には八田ちゃんがいるから、須田には頼らねえ」といえたモモがいとおしい❤️よく言ったね～💦

ある日モモの母親が八田ちゃんを訪ねてきた。指輪を返してほしいというのだ。
八田ちゃんと栗田も巻き込んで十年ぶりに母との対面したものの売り言葉に買い言葉で最悪の再会になってしまう。

モモの隣人栗田は聞きたくもないふたりの情事の声をBGMに日々小説を書いていたが、（後に栗田はふたりをモデルにした小説でデビューを飾ることになる）その夜はモモの壮絶な過去を壁越しに聞いてしまう。
彼もまた、モモの心の叫びをほっとけない人だ

偶然バイト先の本屋に現れたモモの母を呼び止め「モモさんのこと、見てみぬふりはできないんです❗️」と（改めて最後のお別れ）をセッティングした栗田✨

憎んでいたと思っていた母を実は一番振り向いてほしい存在だったと気づけたモモ。

「ひとりでやってけないとおもったらここに…」と別れ際に住所のメモを差し出す母に
「ひとりじゃねえし」とモモ。
後ろの方に心配そうに佇む八田ちゃん。
「アンタ、幸せなのね」
「まあな」照れくさそうに顔を歪めるモモ。
八田ちゃんと栗田との出会いがモモの荒みきった日常を少しだけ明るく照らし出してくれたね💕
最後はホッコリで良かった😃✨

やたもも 全3巻セット