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ジブリ展で、誰も注目しない『あのメモ』に釘付けになった理由。
先日ふらっと訪れた、天王洲アイルの寺田倉庫で行われていた
ジブリパークとジブリ展
ジブリ展と聞けば、きっとみんな「ネコバス」や「サツキとメイの家」、さらには限定グッズを目当てに訪れるだろう。(例に漏れず、私も。)
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しかし、実際に私の心を奪ったのは、展示の一角にあった宮崎吾朗さんの
「ジブリパークをつくる前の、アイデア出しのメモ」
だった。
そこには、どこかあたたかで丸みのある宮崎吾朗さんの手書きで
「ジブリパークで何を伝えたいか」
「来場者に何を感じてもらいたいか」
「ジブリパークのビジョン」
という想いが綴られていた。
写真撮影禁止のエリアだったため、詳細な内容を正確には覚えていない。(うろ覚えの記憶)
だがしかし、私はそのメモの前でしばらく動けなかった。
プロの頭の中をのぞけた気がして、むしろ「自分が見たかったのはこれだ・・・!」とまで思っていた。
ジブリパークは単なるテーマパークではなく、訪れる人に日常の向こう側にある「何か」を感じてもらいたい、そんな想いが詰まっていることが伝わってきた。
ジブリの裏側をのぞくと、見えたもの
そのメモをきっかけに、展示の見方が一変した。
そこからは、ネコバスや作品のミニチュアモデルなどの「映える展示物」よりも、宮崎吾朗さんの手書きの指示書や、背景美術の制作過程が細かく展示されてものに自然と目が奪われていった。
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どれも、徹底的に「細部」までこだわり抜いているのだ。
なぜか、作品に引き込まれる理由がわかる
私自身、これまでアニメーションにはそこまでの関心を持っていなかった。ファンタジーの世界に没頭するのが苦手という現実主義の性分もある。
しかし、ジブリ作品だけは違う。彼らの作品には、日常のリアルさがしっかりと根付いている。それが、ただの「アニメ」ではなく、一種の「現実」として心に響く理由だったのだと、この展示で気づかされた。
例えば、背景美術に対するメモ。
「この人物(アーヤと魔女のキャラクター)はおおざっぱな性格なので、この部屋の棚はもうすこし乱雑さを表現したい。引き出しの角度をもう少し・・・」
このシーンで「このキャラクターへの恐怖心が弱まっている」ことを表現したい。もう少し明るさを出して・・・
「ストーリーを引き立てる背景美術」ではなく、「ストーリの意味を深める美術」がそこに展開されている。
もう、ずーっと細部まで見たくなるのだ。
スローモーションでアニメを見たくなる・・・!
『行きたい・・・!』プロの力は人を動かすを悟った瞬間
展示を見終えた時、私は驚くほど自然に、再びジブリ作品を見返したいという衝動に駆られていた。
今まで「なんとなく難しいな〜」で理解しないまま終わっていた『ゲド戦記』。「なんか子供っぽいなぁ・・・」で見ないままでいた『アーヤと魔女』。すべてを見返したい。
そしてそのまま、スマホで三鷹の森美術館やジブリパークのチケットを即座に予約してしまった自分に気づく。心を揺さぶられた瞬間だった。
衝動とはこのこと
本物のプロフェッショナルの仕事は、人を動かす力を持つ。ただ「見る」だけでなく、見る人を「行動」にまで突き動かす、その力を身をもって目の当たりにした瞬間だった。
では、これから私はなにをしたい・・・?
この帰り道、プロの仕事をありありと見せられ私は、自分の仕事との向き合い方にもう一度思いを馳せていた。
わたしは、いまの仕事で何をしたいのだろうか・・・?
ビジネスの世界でも同じ。単に商品やサービスを提供するだけでなく、その裏にある「なぜ」をしっかりと持つことで、人々の心を掴むことができる。
中高生が「やばいやばい」をスマホ片手に、子供がネコバスに心を踊らせる中・・・
私がジブリ展で感じたのは、ジブリ作品の裏にある強いこだわりと情熱が、プロフェッショナルの仕事としての本質であり、それが人々を動かす力になっているということであった。
では、また!
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