なぜ、素人が買いた本がここまで売れるのか。
ここ最近、書籍の売れ行きに関する嬉しい報告がたくさん入ってくる。
いくらGakken出版社とはいえ、無名の理学療法士が執筆した本がここまで世に認められる(=売れる)とは、なにごとだろうか。
その理由について深ぼってみた結果、忘れてはいけないことが見えた。
なぜ、素人が『本をつくる』のか
本をつくってみるとわかる。 『本をつくること』はまさに、骨が折れる。
そして、執筆経験がそんなにない(過去に執筆に関わった書籍や雑誌が数冊ある程度)素人にとっては、かなりのハードワークである。
膨大な時間がかかる上に、骨どころか心も折れる。
「これがベスト!!」と思って書いても、数日後には全文書き直したくなる。
執筆直後は、容易く「もっと本を作りたい」とは到底思えない。それくらい、まさに骨も心も折れるのだ。
おまけに出版不況の世の中。本が世に受け入れられるかは、本当に未知の世界。
著名人や、世に知られている専門家ならともかく、素人の理学療法士である。出版日まで不安で慄いていた。
答えはシンプルで、伝えたい人に、伝えたいことがあったからなのである。
本の出版は、だれでもできる
書籍の出版方法は大きく2つあるのは、もうみなさんご存知であろう。
今や電子書籍での出版などは、だれでもスタートできる時代である。
1人で本を作り上げるのも、独自の世界観を思う存分表現できる絶好の場である。電子書籍なら在庫も残らないし、いつか取り組んでみたいくらい憧れる。
しかし、今回は誰もが認める実力を誇るGakken出版社さんからのご依頼であった。
この編集チームのみなさんとつくったという事実に、
と思うのだ。
売れ行きからわかる、本の意味
今回の本の工程はこうだ。
私が担当したのは1〜5。そして8。
1と4は共著のイラストレーターkeiさんのプロ魂とのコラボレーション。
そして、4〜8は我らが敏腕編集者さんの向井さん、藤原さん、高木さん
6はさすがのデザイナーさん・編集者さん
7は印刷・製本担当者さん
8はGakkenさんのお力と、微力ながら我々の泥くさい営業である。
みてお分かりの通り、たくさんの方が関わっているのである。
そして、なにより今回感じたのは、
ということであった。
著者である私とイラストレーターのkeiさんはもちろんのことであるが、それ以上に、Gakkenさんの編集チームの愛がすごいのだ。
売れるものには、意味がある
果たす役割は同じで、しかもタイパやコスパを考えると断然いいものが溢れかえる世界。
しかし、これらの違いは、そういうところではない。
もちろんインスタント食品や既製品にも、作り手が関わっているという意味では同じなのであるが。
マニュアル化され属人性がなく大量生産されるものと、人の手で時間をかけて作られるものの違いは明らかであろう。
と問われると、うまく言語化するのは難しい。
しかし、言葉をシンプルにいうのならば
という、得体の知れないなにかがあるのである。
そんなことを考えていた時に、先日みたとある映画を思い出した。
それが、『ラストマイル』である。
この映画でも、一つの商品をポチったところから、どれだけの人がかかわり、どんなドラマを乗り越えてポチった手元に届くのかを考えさせられる。
どんなものも、「ものつくり」の裏側や、その背景に関わる人の存在を忘れたくないし、感謝を伝えたいと思ったのでした。
改めて、本書に携わっていただいたみなさま
本書を手に取っていただいたみなさま
かかわりのすべての人に