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週に一度、大切にしている習慣。
私には、毎週必ず欠かさず行なっている習慣がある。
そして、この習慣を実施する日は、慌ただしく過ぎていく中で忘れないように、手帳に記載している。(アナログね。)
それは、
おばあちゃんに電話をすること(90代、独居)
一見、ばぁちゃん孝行かと思われるかもしれないが、100%そうではない。(おい)
実は、何よりも自分のためでもある。
最近、自分を見失っているな
と思う人ほど、読んで欲しい。では書きます。
じーちゃん・ばーちゃんと私。
幼少期から、祖父母との関係は良好であった。
父方の祖父母は遠方(東北の田舎)のため、夏・冬の休みに長期で会いに行っていたし
母方の祖父母は片道2時間圏内のため、学校のイベントなどすかさず駆けつけてくれていた。
ちょっと厳しいじーちゃんと、愉快で優しいばーちゃん。
学生時代のころまでは、なんとなく別世界の大人としてみていたので、あまり腹の中は明かせない関係な感覚があった。
(子供心にちょっと気を使っていた)
昔から電話で話すのは
今日運動会で、1位だったよ〜
今日ピアノの発表会で、間違わずに弾けたよ〜
テスト前だから勉強頑張ってるよ〜
昨日まで、みんなで北海道に行っていたよ〜
(・・・いわゆる近況報告)
なんとなく、頑張っている姿を見せなきゃ
楽しんでいる、元気な姿を見せなきゃ
といったような、
今思えば、あんまり中身のない会話ばかりだったように思う。
いつも壮大な愛で包んでくれる、じーちゃん・ばーちゃんのことは大好きだったが、本音を言える距離感ではなかった。
子供の頃の関係と変わった瞬間。
就職してからも、ことあるごとに会いに行き、電話や手紙を送りあってはいたものの
盆暮正月は欠かさず会いに行き、誕生日やクリスマスも一緒に過ごす
イベントごとには駆けつけてくれたし、毎年お正月には両家の祖父母と旅行にいっていた
大勢で会う場面では特に、3兄弟の真ん中である私はじーちゃん・ばーちゃんを独占できる場面はほぼ皆無。
だからこそ、幼少期のままの関係が続いていたのだが・・・。
両家とも、じーちゃんが癌を患うことで状況は一変する。
そして、両家とも80歳を超えての罹患だったため、進行は緩やか。
認知もしっかりしているため、在宅ですごしつつ通院する治療スタイルになる。
当時、病院の理学療法士として勤めていた私は、もちろん癌の患者さんの担当も多くしていた。
行く末もお別れもたくさんしてきたし、その時、本人しかり、周りの家族の変化も目の当たりにしてきた。
だからこそ、頻繁に会いにいくように、連絡をするようになった。
辛かった時なのに
だんだん癌がいろんなところに転移して、認知症はなかったものの、脳への転移までいったあたりで状況はどんどん深刻になる。
ちょくちょく家に行っていたからこそ、家屋調整(体力が落ちても自力で動けるように、必要な部分への手すり設置や福祉用具の搬入など)は担当していた。
東北の田舎にいるケアマネと関東に住む私とで頻繁に電話でやりとりをし、状況を把握、必要なサービスを相談させていただくという、異例のスタイル
この頃あたりから、主介護者であるばーちゃんが心配になり、頻繁に電話をするようになる。
夜トイレと間違えて穴倉(物置の地下室)に行っちゃってね
夜中に何度もお風呂に入って、出れなくなって・・・
トイレの場所間違えて居間で・・・
私に話しているのなんて、おそらく話せる範囲の内容で。きっとこの何十倍も何百倍も大変なんだと思いながらも、ただただ話を聞く。(裏でケアマネさんや親に報告し対処。)
そうこうしているうちに、ばーちゃんが本音をポロポロと話してくれるようになる。
今までは、ばーちゃんという括りでみていたのが、一人の女性として弱音や辛さを聞いたことで、グッとくるものがあった
自分を原点に引き戻される理由
その数年後、じーちゃんはなくなり、実用的に連絡を取ることが少なくなってしまったのだけれど
一人になってしまった直後は、心配で連絡してたが、、、。いろんな人から連絡が来るので少し控えていた。
それでも週に一度は電話をしたくなる。声が聞きたくなる。
それは、私がばーちゃん孝行の良い孫だからでもなんでもない。
ただ、私のためでもあるのだ。
90歳を超えて、一人で生きる女性の言葉は深い。そして未熟すぎる自分に突き刺さる。
ちょっと仕事がうまく行って調子に乗りそうな自分も、引き戻してくれる。
頑張っているねぇ。体だけは大切にしなさいね。
どんなに嫌なことが続いても、全て投げ出したくなっても
近いうちに、遊びにおいで。
全てまるっと包み込んでくれる、ばーちゃんの声が聞きたくなる。
今や、誰よりも本音が吐ける、本当に欠かせない存在なのだ。
夜な夜なお酒を飲みながら恋バナをしたりもする。(私よりも女子な90代でもある)
ばーちゃんと私の不思議な関係。
昔からとりわけばーちゃんっ子だったわけでもなんでもない。
きっと距離が縮まったのは、大人になってから。
お互いが本音を吐けるようになってから、のような気がしている。
しかし、こんなに人生経験が豊富な相談相手は、他にいない。
こんなに私の全てを包み込んでくれる人もなかなかいない。
語彙力が無さ過ぎて、うまく表せないけれど、
誰よりも、何よりも強い味方でもある。
そんなばーちゃんとの、残り少ない大事な時間。
今週も楽しみに頑張るのだ。
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