習得への情熱
結局のところ、何かを極めるということは、自分の心に最も響く情報を発見したら、それが消えてなくなるまで自分の中に深く完全に取り込み、自由に飛べるようになるということなのだから。 『習得への情熱』ジョッシュ・ウェイツキン著 あとがきより抜粋
この本は、少年がチェスの世界で頭角を現し勝ち得た栄冠、マスコミの視線を浴びるがトップレベルを維持できなくなる苦悩。太極拳の出会いから推手の選手に転向し優勝するまでが書かれてます。
具体的に興味を持ったのは✨ゾーンの探求✨プレッシャー下での戦い方✨壁の超え方など。今回は大事なポイントだけをまとめてみます😊
物事に熟達する道のり(全体を通して)
まず基礎から始め、基本原理を固めたら自分に合ったレパートリーを広げ磨いていく。その一方で、学びの間はその分野の中核となるものとの繋がりを大事にと。
チェスを例に、まず駒の動かし方、駒の特性や関係性、そして定石と非定石、複雑さを取り払ったエンドゲームと呼ばれる局面研究(詰碁や詰将棋に相当)を学び、練習を重ね自分独自の戦法を加え完成へと磨きあげると😊
この手法を応用して太極拳推手の練習にも適用。素質もさることながら目の前のライバルを倒すため相当の情熱を燃やし工夫を重ねます😅
1)ゾーンの探求
試合中に起きた地震をきっかけにゾーン(集中力が高まり、意識が研ぎ澄まされ、活動に没頭できる心理状態)を体験する著者。その後、集中を妨げるものへの対処から意図的に意識を切り替えゾーンに入れるよう目指します。
対戦相手の露骨な妨害に反応していた著者。やがて怒りの感情を否定せずに利用して対処する方法を模索します。それは練習や日常生活で不快を感じた時でも、それを避けるのではなくその中で平安を見出そうと本能的に考えられるまで訓練を続けるのだと。
それを、✨「時間の流れを緩める」という表現を使っています。
例えば本を読む意識からリラックスして視界を広げると多くの視覚意識を使い視界の隅まで見えるように。次にその意識を残したままもう一度本に焦点を戻すというもの。
単に優秀なだけのプレーヤーと偉大なプレーヤーの境界線は、心をしっかり今という瞬間にとどめ、意識をリラックスさせて、何の妨げもなく流れるように無意識を活用できるかどうかの差にある。この状態は非常にデリケートなものだけに誤解されがちだが、要は、自由に無意識が絶妙な形で意識に再統合された状態を指すものだ。主な役割を意識から無意識へ移行させるわけだが、その時もしも無意識をただ手放しで迎え入れてしまったら、意識がつかさどる正確さは損なわれてしまう。
なお、視覚を広げたままの意識だけに頼ると日常生活で起きていること、つまり他に注意を払えなくなると注意してます😅💦
2)引き金を構築する(プレッシャーでの戦い方)
次はどんな状況下でも戦える✨「引き金」を構築するやり方。それは、身体に無理のないギリギリの線でインターバルトレーニングを行い、心肺機能を高め、集中とリラックスの繰り返し訓練する😱
トレーニングだけでなく、読書で集中が切れれば深呼吸の繰り返し、顔を洗う、散歩など気分をリフレッシュさせて再び読書へ。徐々に精神的なスタミナを付けながら太極拳、ヨガ、または瞑想を行うと効果的に。
緊張を解き放って新鮮な気分への切り替えが上手くなると、集中、アドレナリンの分泌、運動とリラックスの間を行き来できるようになり自信が生まれます。感情的に反応したくなる事やプレッシャーがあっても徹底的に意識を使うこととリラックスの境界線が近い事を知れば、それだけで楽な気持ちになると。この辺りは日常生活でも参考になります😊
なお、呼吸回復にはゾーンの入り方で学んだ視覚意識をお忘れなく。
3)一つにまとめる(壁の超え方)
著者が見出した「創造のひらめき」と表現する無意識から生まれる技。それを感じたら✨自分がすでに知っていることと関連を見つけ技術的要素を見つけるようにと😊
著者は技術的要素を見つける手段として、練習中のビデオ研究を行います。そして約八週間研究を続けた結果、無意識に反応していた体の動きを解明。世界大会では持っている技術を駆使しアウェーの中を戦い抜きます😮💨
練習を重ねレベルアップを目指す過程で得た気付きが次第に深まり、やがてそれらが繋がりを持つと新たな壁を越える原動力に生まれ変わる。それは導かれるように起きる物事に熟達する道のりそのもの。難しい表現が多いけど、競技者や体を使った表現者であれば一度手に取ってはどうでしょうか?
長文にもかかわらずお読みいただきありがとうございました💛
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