『違国日記』完結。カウンセリング漫画としても読める作品。


多くの方が語るように本当にすごい最終回だったんですよ。
別に誰かが死んだり悪者を倒したとかではなく、「主人公の二人が自分の本当の気持ちとその変化に気づきそれを言葉にした。声に出した」というだけなんですけど。
そのための道のりを描いてきて最後にようやく実ったな、と。そういう意味では出てくる人たちがずっとカウンセリングをしているような状態だった。つまりそれは読者の側の心情も吐き出させられてきたわけで。
いろいろと考えさせられました。

自傷行為をしたり死にたい思いが離れない人は、親との関係がうまくいってない場合の人も多い。
作品では両親を事故で失いそのかけられていたはずの愛情に翻弄されてしまう女の子と、その子の亡くなった母親の妹であり身柄を引き受けた女性の、「三者の不確かな愛を確かめたいような、たくないような」やりとりがずっと続いてきました。それはもうリスカした跡のように心に刻まれ、時に血が流れ、隠し、さらけ出すように。
それでも時は流れ生きているものは成長しそれによって死者の言葉もまた受け取り方が変わっていきます。


あの時あの人は何でそう言ったのだろう?

何であなたはそう言うの?

あなたはわたしを愛してくれているの?

死にたいと思っている人、とくに親との関係に困っている人に読んでもらいたい作品です。

来年実写映画化されるので(新垣結衣‼︎)、今後もより多くの人に「自分を振り返れる力」を与えてくれることでしょう。

つくづく思う。愛と寂しさは表裏一体だと。


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