鍵しっぽ
硬いものが食べづらくなった方へ普段自分が作っている介護食をまとめました。
2022年2月〜2023年2月 きじとらレオと黒猫ククリの日常を写真と俳句で綴っています。
朝仕事へ行く時、玄関マットへごろんと寝て私を逆さまに見るレオ。 「行っちゃうの?」と言ってるよう。 人生を猫と伴走萩戦ぐ (じんせいをねことばんそうはぎそよぐ) 孕めなき猫声やさし芒の穂 (はらめなきねここえやさしすすきのほ) 足止めを覚える猫や秋惜しむ (あしとめをおぼえるねこやあきおしむ) アンモナイトめく寝る猫秋日和 (あんもないとめくねるねこあきびより)
ククリはゴロゴロが苦手だ。 いつも豚さんのような息使いになってしまう。 でも、幸せそう。 まばたきは得意。 私の質問にまばたきで答える。 レオはまばたきが苦手だ。 私がまばたきを全力でしても、じっと見つめてる。 ゴロゴロは得意。 9kgの体を抱っこすると幸せそうにゴロゴロしてる。 食欲の秋は平らげ猫の皿 鰯焼くまばたき上手ゴロゴロ下手 夕月夜昼の疲れに猫眠り 玄関に待機の西瓜猫嗅げり
捨て猫になさけをかけてそぞろ寒 俳人 小野久美子 季語 そぞろ寒 秋の季語 季語〝そぞろ寒〟は晩秋の頃何となく感じる寒さのことです。 〝そぞろ〟は古語で「わけもなく」「それとなく」「何となく」という意味があります。 毎日餌をあげていたのら猫でしょうか。 のら猫とはっきり書いていないので、何かの事情で外で生活をするようになった猫かもしれません。 餌をあげながら、気温の変化を感じて、この猫のこれから先のことをどうしたらいいか考えはじめているのかもしれません。
初秋の季語に放屁虫があります。身の上が危なくなると臭腺から悪臭を放ち、身を守る甲虫です。 今年はあちらこちらでよく見かけます。 カメムシの大量発注の原因は例年以上の暑さやエサが豊富だったことだそう。 網戸に止まったカメムシにククリが猫パンチしてる。肉球は臭くなかったから、嫌な匂いはださなかったのね。 じゃりじゃりと虫刺され後猫の舌 猫パンチ喰ふ一発放屁虫 きじ虎の縞の模様や秋の雲 秋の夜や猫と見るダンプ松本物語
ある日曜日。飼い主はお仕事。 休憩中LINEをチェックしていたら、お休みの主(あるじ)より 〝部屋中レオの血まみれ。 レオの爪切ったら暫くして出血〟 どうやら爪を切った後、レオがさらに爪を引っ張ったらしい。レオには爪を引っ張る癖があった。 日曜やっている動物病院で止血のお薬と化膿止めをもらい、暫く様子をみて血が止まらないようだったらまた来て下さい、ということだった。 引っ張ってとれてしまった爪は組織が残ってたらまた生えるでしょう。ということでしたが、レオは痛がらない
ひらひらと猫が乳呑む厄日かな 俳人 秋元不死男 飲食をする時に出る音のオノマトペを使った俳句はこれまでも何句か目にしてきました。 へろへろとワンタンすするクリスマス (これも秋元不死男さんですね) さらさらと鯛茶ですます昼の雪 (野村登四郎) 猫が乳を呑む時、ひらひらと聞こえる状況はどんなだろう。 母猫から乳を呑む時はおそらく吸うような擬態語だろう。 考えていると傍でうちのレオが皿の水を飲んでいる。 〝ひらひら〟とは猫の舌の動きの写生からくるオノマトペで、おそ
ある秋の朝テーブルの上の電卓のキーキャップが何個か外れていました。 主ではない。 レオかククリか。 握力あるのね。 キーの配列どうだったっけ? 連雀の尾羽の羽軸猫の髭 腹減れば我を見に来る秋の猫 黒葡萄猫の外せしキーキャップ 秋の山太もも超えて猫ゆけり
8月も終わりの某日、窓にレオとククリが集まった。 屋根に鳥がいるのか、虫をみつけたのか、しばら耳をそばだてて屋根の様子をうかがってます。 もしかしたら、この前見たトカゲかもしれません。 爽やかや少年のよに猫眠り 天高し猫の眠りの深まれり 色鳥か鴉かごめか窓の猫 猫抱ひて見上ぐる猫と同じ月
胴伸びる時の無想や秋の猫 (どうのびるときのむそうやあきのねこ) 俳人 橋 間石(はしかんせき) 季語 秋 俳人橋間石は俳句のもととなる俳諧から句作を始め、病弱だった為か俳句の師や友人を持たず句作を続けました。 そんな病弱な間石のまわりには猫がいたように思う。 猫は目覚めた後や気分転換の時伸びをします。 無想とはすべての思いをなくし、何も考えないこと。マインドフルネスな状態です。 胴を伸ばすことだけに没頭する猫を見ている自分も無想状態なのかもしれない。
洗面所で洗顔や歯磨きなど、屈んだ姿勢でいると、時々背中に飛び乗って爪を研ぐレオ。 私も婆も経験あり。 レオはどんな心境なのだろうか…。 猫は〝かまって〟〝遊んで〟欲しい時も爪を研ぐらしく関心を引いているのかもしれません。 そんな時人はたいてい自分のことに専念していたりする。 猫にも〝こうしたい〟って意思はあるんだね。 扇風機囲むきじとらに黒猫 (せんぷうきかこむきじとらにくろねこ) 猫の嗅ぐなすびの牛のお尻かな (ねこのかぐなすびのうしのおしりかな) 黒猫の乳
猫がお尻を高く上げるのは甘えたい、かまってほしい、撫でてほしいと思っているそうです。 猫がそのポーズをしたら尾の付け根のあたりをなでたり、軽くポンポンたたいたりすると猫は大満足です。 卯波消え猫のいびきの空音めく (うなみきえねこのいびきのそらねめく) 向日葵や猫かしづくは頭づく (ひまわりやねこかしづくはかしらづく) 昼寝して猫も戸棚から落ちけり (ひるねしてねこもとだなからこちけり) 猫の背の我のみぞおち八月へ (ねこのせのわれのみぞおちはちがつへ)
今年の夏の行事は仕事で埋まった。 七夕はお店にたくさんの子供達が〝ろうそくもらい〟という名目でお菓子をもらいに来ました。 用意していた46袋のお菓子はあっという間になくなった。 花火は現地で見る臨場感がやっぱりいい。 久しぶりのワインが飲めて良かったけど、YouTube中継の花火を見ているうちに猫たちと寝てしまった。 猫は鼻にろうそくもらいの子の汗 (ねこははなにろうそくもらいのこのあせ) 黒猫に思わせぶりな灯取虫 (くろねこにおもわせぶりなひとりむし) 水無月
出掛けにレオとククリにあいさつしようとすると、どこにいるのかいない時がある。 探すと周りのものと一体化していたりする。 夏の夜や眠れぬ爺とアニプラネット (なつのよやねむれぬじじとあにぷらねっと) 飼ひ猫の大開脚の暑さかな (かいねこのだいかいかくのあつさかな) 二階より一階涼し夜の猫 (にかいよりいっかいすずしよるのねこ) 靴箱に猫の擬態や守宮鳴く (くつばこにねこのぎたいややもりなく)
来世は桜に生まれ変わるかも (らいせいはさくらにうまれかわるかも) 50句完。ご観覧ありがとうございました。
さくらさくら身につけるとしたら指に (さくらさくらみにつけるとしたらゆびに)
桜の樹燃ゆ屍へ移りゆき (さくらのきもゆしかばねへうつりゆき)