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読書メモ「なにものにもこだわらない」

本書は「拘らない」ことをテーマに、素直で自由に書かれたものです。

前半は、体系立てて書こうとしているかのように見受けられます。
後半は、さまざまな事に対して「自分はこう思うよ」っていう感じなので、自分の中に取り入れやすいかなと思います。
結論としては、「拘らないというのは、本質を捉えるための1つの手法」であるということが書かれています。

「拘る」とは

「拘り」の本質は省エネです。

拘るとは、

・新しいものを受け入れない
・感情的な行動
・理屈がない
・議論をせずに拒否する
・主観的
・考えない

ということです。

「考える」ということは、頭脳を運動させること。すなわち、体力を消耗する行為です。
だから、「拘る」ことの目的は、「考えないようにする」こと。つまり「拘り」とは「考えないこと」なのです。

一言でいうと、「省エネ」です。

「拘り」の何がいけないかというと、この「考えない」ことなのです。その結果、それ以外の選択をすることに、ブレーキがかかってしまうのです。

「拘らない」とは

拘らないとは、

・新しいものを素直に受け入れる
・忘れる
・客観的
・考える

ということです。

忘れたつもりで、主観からいったん離れる。一歩引いて物事を客観的にみる。その都度考えることが大切です。

それは、とてもエネルギーを使います。


一言でいうと「エネルギーを消費する行為」です。

本質の定義と自由について

本質を見ている状態が「自由」です。そして、自由というのは、自分のことは自分で考えなくてはならないから面倒です。

支配されている状態のほうが、考えなくていいので、楽なのです。すなわち「省エネ」。

しかし、本質が見えていないと「不自由」な状態だから、自分を活かせない。

拘ることは、本質を見失って自分を活かせない状態なのです。

自由とエネルギーについて

楽しさは、エネルギーを消費する活動です。

また、生きることもエネルギーを消費する活動です。エネルギーを消費する活動はみずから考えて、行動することにつながります。

拘らないで生きていくということ

自分のことに拘らなければ、他者にも拘らないでいられます。

なにものにもこだわらないことを完璧に実行するということは、死ぬことを意味します。だから、生きるということは、その究極の選択をさけて、0と100の間のバランスをとること。思考の身軽さが大切なのです。

1度決めたことでも、いつでも変更ができます。1度決めたらやり通さなければならない、というルールはありません。

まとめ

「なにものにもこだわらない」が目指すものとは、「臨機応変」です。そして、自分を活かすためには、少しくらいは拘ったほうがよい。

ときどき拘る。でも、ほとんど拘らない。その切換えは、臨機応変に。

他にも、生死についてや優しさについてなど、さまざまなことについて、具体的に書かれています。常識を疑う思考が、自分の中にインストールされる感じを体験できます。


著者:森博嗣



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