7/8 西荻窪『ニジンスキーは銀橋で踊らない』 刊行記念トークイベント~「推す」ことの宿命について
2023年5月刊行の小説、かげはら史帆『ニジンスキーは銀橋で踊らない』(河出書房新社)の刊行記念イベントが東京・西荻窪の今野書店で開催されます。(配信もあり)
2023/07/08 (土) 15:00 - 16:30
『ニジンスキーは銀橋で踊らない』 刊行記念トークイベント
かげはら史帆×渡辺祐真 「推す」ことの宿命について
企画してくださったのは今野書店の名物書店員、花本武さん。
花本さんには前職でお勤めの書店さんでも、私の選書による特集を企画してくださったり、ご著書『10代のための読書地図 (別冊本の雑誌20)』で拙作『ベートーヴェンの愛弟子 - フェルディナント・リースの数奇なる運命』を取り上げてくださったり、たいへんお世話になっています。
チケットページ上のメッセージがとっても素敵なので、引用させていただきます(ありがとうございます!)
対談のお相手をつとめてくださいます渡辺祐真(スケザネ)さんは、若手の気鋭の書評家さんです。
YouTube「スケザネ図書館」ほか、さまざまなメディアでの書評活動、イベントへの登壇など、めまぐるしくご活躍中。
昨年刊行のご著書『物語のカギ』(笠間書院)も、創作物の見方や読み解き方が深まる快著。
拙作をどう斬っていただけるのかとても楽しみです。
また、先のメッセージにあったとおり、スケザネさんと「推し(的な概念や人が登場する)小説」3作ずつをセレクトしてのプレゼン大会(?)も開催予定です。
なるべく意外な本を取り上げたく、一生懸命セレクト中です。
「推し」(あるいはファン)は私にとって、本作を書くためにたまたまネタにしたテーマではありません。
花本さんが書いてくださったとおり、1作目『ベートーヴェン捏造』の主人公アントン・シンドラーもまた「推す人」であり、2作目『ベートーヴェンの愛弟子』の主人公であるフェルディナント・リースは、私自身の「推し」に他なりません。
また、歴史上のスターとファンの関係性や生き様にも関心があって、そのテーマに特化したひとりPodcast「愛でる人びと~歴史のなかのファン列伝」を毎週火曜日に更新しています。
現代的な語義としての「ファン」という言葉のはじまりは19世紀後半、スポーツを熱狂的に応援する人を指すものとして出現し普及したといわれていますが、それより前の時代にもあきらかにファンの様態を示す人たちはいました。また逆に、『ニジンスキーは銀橋で踊らない』の主人公のロモラのように、20世紀に青春を過ごした世代の人であっても、舞台の上で光り輝く人を発見したときに、それがいったい何であるか、あるいは夢中になる自分とは何者であるか、すぐには理解できずに混乱に陥ってしまう人もいました。
『「推す」ことの宿命について』という壮絶なタイトルを付けてくださったのは花本さんですが、なんらかの形でこのタイトルに帰結する場になればいいなと思っています。
お越しくださる方からのご質問もぜひお受けしたいです。
西荻窪は素敵なお店やカフェがたくさんある街ですし、北口から徒歩1分の今野書店さんも、とても本のセレクトにこだわりがある書店さんです。
7月8日、ぜひ遊びがてらお越しくださいませ。
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