見出し画像

海月の骨に触れた夜

8月8日(日) 

海月の骨に触れた夜 第二夜

コンセプトやテーマがしっかりとあるライブイベントだった。(これをイベントと言って良いのか、ライブと気安く言っていいのか、自分の中でしっくりきてない節はあるが、良いイベントだった。)

第一夜

・ぱるこ(子役)

親との死別に関しての心情を
独白のような語りで吐露

白シャツに黒のズボン、正装

一言目から惹き込まれた。ライブ前から、照明は暗く、水の音のようなバブル音が流れていて、子宮の中にいるような気持ち、厳かな気持ちではあったが、この芝居で物語の中にすっと自分も入り込めたような気がした。


・忠義

ぱるこさんにあわせて白シャツだった

この人の曲を聴くのは体力がいる。今回、頭の中が静かだったせいか、歌詞の一つ一つがいつもより、はっきり聞こえて聞きながら色々考えていた。

換気扇に吸い込まれていくタバコの煙、虚無、自己暗示、自覚している罪と罰、家が無くなった日、死にたくなんかない、父の記憶や心情など。

瘡蓋を剥がす度、ちょっとだけでいいから、周りから水を拝借してもいいんじゃないかと思う。これは許しじゃない。自分が与えた水の一部は少しだけ自分の一部なんだとわたしは思うから。


・Tears Of Cameleone

目元に赤と青のアイシャドウ(?)ペイント

拝見するのは、三回目くらい。僕の電話ボックスは君のとこにあります、つらつら...みたいな、歌詞の曲が個人的には好きなんだけど、今回は、その他の曲を感情移入してよく聞いた。(途中、意識が飛んだ。) 

傷を抉るような痛み、時々、振る小雨、戦場の中でもがきながらもあなたは自分を洗浄している。


第二夜 

いわさかあきほ(芝居)

第一夜が終わって三十分ほど地上で息を整えていた関係で、階段のところから、一部、声を聞く形になった。この芝居の中では、母役。開演前の立ちの姿から母だったと思う。

・Mondeo

最初から二番目くらいの曲を階段に座って聞いていた。新曲はこの前聞いた時より、心が痛くなった。(時間が経つ事に軽くなる意識と、重くなる意識があると思う。) 

普段のもんでおさんからは、あまり、寂しさや痛みの影を感じないのに、ステージの上では、くらいと思う瞬間が何度もある。笑いの中に真剣さと覚悟。真面目な人だ、一曲ずつメッセージ性がちゃんとあってすごい。泣きそうになる曲もあった。お客さんから、笑いと涙の両方を引き出せるのは単純にすごいと思う。


・アサトアキラ

とても優しい声をしていた、声質が知り合いの波長とあっていたせいか、先入観ありではじめの方は聞いていたが、途中から、彼の声、歌という意識全開で曲を拝見した。高台で歌う姿を想像しながら、海を、故郷を懐かしんでいる自分がいた。

声を重ねながら、語り、歌い、あっという間に時間が過ぎていて、走馬灯のよう、オレンジや赤、青の絵の具が心の中で滲んでいく感触。


第三夜

・タナカ・キン(芝居)

彼は父役。海月の帽子を被っていた。

流木は彼に生かしてと話しかける。命は永遠に亡くならない、誰かが覚えている限り、そうでなくても、流木は、名もない誰かを名乗るのだ、そうして、それを受け取った側はそれを伝える使命があるんじゃないかと思う。

・法橋ハジメ

関西弁と佇まいのリンク、この人こそ詩人、声質がとても心地よく、終始語りかけられているような気持ちになった、そこに、嫌味な圧がなくて、にじみ出る温かさがあって、変に正義を気取ってない。笑顔の奥に憤慨があるかもしれないが、それを小出しできるような人であると思う、曲を聞きたいより、また会いたいと思った人。屋台が連なっている場所に行きたくなった。

・カタソビ

ボーカルのアイラさんが亡くなったひいおばあさんの浴衣を10センチ差があるのにも関わらず元から着ていましたという様相の着こなしをして居たの印象的だった。あなたの骨を食べた日、ふたりの共通点、亡くなった祖父のことを思い出しながら聞いてしまう曲。

(自分自身の回想、自宅で息を引き取った祖父、それをまじかでみていた中学三年生のわたし、骨になった祖父の骨を拾う時に、安全ピンを見つけて拾い、後日、その安全ピンについていた骨をなんとなく舐めて、祖父が亡くなったことを受け入れている自分がいた。あの日から、節目でもある、祖父の命日。わたしがわたしでいられるようになるまでの期間も含めてあの日からわたしはわたしだ。今度は、目を閉じて聞きたい。)

今回の、ウルフは厳かな感じのウルフ、供養の意など、アイラさんの歌詞は苦しい。踏み込めない壁があるのに、曲の中では、慈悲と優しさの手がみえる、優しさというか覚悟のある慈悲や抱擁。一生懸命になっている姿は美しい。

第三夜があるのなら、また、見に行きたい。

最後あたり

物語の回収はカタソビと子役のぱるこさんの語りで終わりを迎えた。


追記

ライブの装飾など