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僕がnoteを始めた理由。

僕は今まで約20年間陸上競技を続けてきた。「努力すれば夢は叶う」と信じて頑張ってきた。でもそんなことは決してなかった。圧倒的な才能を持つトップ選手を目の前にして、僕と彼らとでは基本構造が全く違うということを思い知らされたのだ。それに気づいた時、僕の努力の延長線上に彼らがいるとはどうしても思えなかった。

僕は彼らのようには走れない。 

悔しいけれどそれが事実だった。 

ならばどうするか? 

諦めるか? 

それは嫌だ。

だから僕は徹底的に考えた。

「どうすれば彼らのように速く走れるか」を。

結論から言ってしまうと、それは「高強度のトレーニングを継続して行うことが出来るから」だと僕は考えている。レースの日に本来の実力が発揮出来るかという問題はあるにせよ、基本的にはトレーニングの結果がレースの結果に直結するからだ。ただ、僕は彼らのように高強度のトレーニングを行うことが出来なかったし、すぐに脚を痛めて、トレーニングを継続することが出来なかった。

「ただの努力」では彼らに追いつけない。彼らに追いつくためには、「彼らが当たり前のように出来て、僕に出来ないもの」の正体を一つ一つあぶり出して、徹底的に考察し、自分にとっての最適解を見つけ出さなければならないと思った。自分に出来ないものから目を背けずに、真正面から向き合うことは正直辛い。でも、それが僕なりの「脚を速くするための努力」だった。センスがないならセンスを作ればいいと思った。

数多くのトップ選手や彼らを支える人たちを観察して感じたのは、彼らの考え方は非常にシンプルだということだ。例えるなら「スイッチをオンにするか、オフにするか」というくらいに。語弊を承知で言えば、彼らは何も考えなくても速く走れるのだと思う。

そんな風に見えるのは、(僕を含む)普通の人間が1から10までを考えなければいけないところを、彼らは7から10までを考えるだけでいいからだと思う。1から6までは考えなくても「センス」によって補完されている。つまり、彼らと同等に戦うためには、彼らの「センス」について考えなければならないということだ。そして、考えて、要らないと判断したものは考えるのを止める。僕はその作業をずっと繰り返してきた。その中で例えばこんなことを考えてきた。

・なぜ脚が痛くなるのか?
・どう対処すればいいのか?
・根本的な身体の強さとは?
・身体の強さはどう作ればいいのか?
・脚が速くなるとはどういうことなのか?
・良い動きとは何なのか?
・良い動きを作るためには何をすべきか?
・何をどう食べれば脚が速くなるのか?
・考え過ぎない考え方とは?
・強靭なメンタルとは?

このような疑問を解き明かすために、お金と時間を使って、様々な書籍や論文を読み、その道の専門家に教えを乞いに行った。また、トップの選手の動きや考え方を観察した。そして、それを自分の中に落とし込んでいった。何度も失敗と挫折と試行錯誤を繰り返しながら。「いつか変われるんだ」と必死に言い聞かせて、厳しい状況にも、ぐっと我慢した。

そうして今でもずっとぐるぐると考え続けている。何故なら現にトップ選手に追い付けていないからだ。だが、ある程度「自分にとっての最適解はこれだろう」と判断し、成果を得られているものもある。そして、少しずつ脚を速く出来ている実感があるし、少しずつ高いレベルでの失敗になっているはずだと思っている。

そんな風に考え続けた副産物というべきか、いままで全く理解出来なかった「速く走るということ」を少しずつ理解し、言語化出来るようになってきた。それは1から10まで、馬鹿みたいにずっと考え続けてきたからこそ得られた能力だと思う。それは、約20年間の競技人生で今のところ唯一誇れるものだと言っていい。

競技の世界は結果が全て。そんなことは百も承知だ。世界を目指したいと今でも思っている。しかし、『遠くない将来に第一線から身を引くこと』を意識するうちに、僕が今まで考えてきたことを誰かに聞いて欲しいと思うようになった。約20年間、決して小さくはない痛みを伴いながら得たものは、少なくとも僕にとっては大きな価値を持つものだからだ。それと、『僕が考えてきたことを発信している人が誰もいない』というのも、このnoteを書くための一つの原動力になった。

このnoteでは、僕が『速く走るために考えてきたこと』をまとめていきたいと思う。

一応お断りしておくと、それらはあくまで僕の「個人的な見解」であって、それが万人に当てはまるとは決して思わない。異論や反論もあると思う。ただ、才能があるランナーに少しでも追い付きたいと悩んでいるランナーに、ちょっとしたヒントのようなものになってくれたら嬉しいなと思っている。

というわけで、note始めてます。
どうぞ宜しくお願いします。

山田翔太

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