山田翔太

プレス工業という実業団に所属していた元アスリートです。 「速く走るために考えてきたこと」 「アスリートの視点から考えたこと」 「競技結果の振り返り」などを書いていきます。 フォロー大変喜びます。

山田翔太

プレス工業という実業団に所属していた元アスリートです。 「速く走るために考えてきたこと」 「アスリートの視点から考えたこと」 「競技結果の振り返り」などを書いていきます。 フォロー大変喜びます。

マガジン

  • アスリートの視点から考えてきたこと

  • 速く走るために僕が考えてきたこと

  • 振り返り

    試合結果や年間の振り返り。

最近の記事

  • 固定された記事

「センス」の正体を本気で考えてみた。

「あの選手はセンスがあるから強い。」 「やっぱりセンスがある選手は違う。」 「結局のところ、センスには勝てない。」 僕はそんな言葉を何百回と聞いてきた。 でも僕は「センス」を勝てない理由にはしたくなかった。 『センスとは何なのか。』 それは僕の競技人生を通して最も重要な意味を持つ疑問になった。僕にとって、彼らと本気で戦うということは、彼らのセンスと真正面から向き合うことだった。そうして考え続けた結果、「ある仮説」に辿り着いた。 ーーーーーーーーーーーーーーー そこ

    • しっかりと好感の持てる容器に。

      「競技から引退した後、自分には何が残るか?」 ここ数年、ずっと考え続けてきた問いだ。 引退して2ヶ月。ほとんど全てのリソースを競技に注ぎ込んできた自分に何が残っただろうか。 キャリアという観点で考えてみよう。 プレス工業陸上部では、ある程度業務を任せていただきながら、競技をする環境を整えてもらっていた。(あまり好きな言葉ではないが)デュアルキャリアを歩んでいた形になる。つまり、片方のキャリアが閉ざされた今、もう一方のキャリアが残った。 一方で、競技からの「学び」が残

      • 引退レースのお知らせ

        タイトルにもある通り、8/27の北海道マラソンをもって競技を引退します。 自分の中では、今年の東日本実業団駅伝でのリベンジ、冬のマラソンにチャレンジしたいと考えていましたが、望む結果とはなりませんでした。正直に言って、不完全燃焼です。 ただ一方で、僕の希望を受け入れて下さり、最後に北海道マラソンに出場することになりました。この機会を含めて、今まで大した結果が残せなかったのにも関わらず、プレス工業陸上部の一員として、約8年間、夢に向かってチャレンジさせ続けてもらえたことに感

        • 『熟達論』を読んで僕が考えたこと

          為末大さんの新著『熟達論』を読みました。凄まじい読書体験でした。このnoteでは本書の内容を踏まえて、アスリートの端くれであり、長距離ランナーである自分が考えたことを書いていこうと思います。 本書の要約本書は、為末さんがアスリートとしての経験を通じて、”人間がどのように学んでいるか”を5つのプロセス(遊・型・観・心・空)に分けて紹介している。 遊 純粋に遊びを楽しむように、思い切り動かす、面白がる段階。 型 無意識にできるようになる技能(土台)を積み重ねる段階。 観

        • 固定された記事

        「センス」の正体を本気で考えてみた。

        マガジン

        • アスリートの視点から考えてきたこと
          7本
        • 速く走るために僕が考えてきたこと
          19本
        • 振り返り
          3本

        記事

          ただし、それが正しい努力なら

          努力は必ず報われる。 塵も積もれば山となる。 走った距離は裏切らない。 ”ただし、それが正しい努力なら” どんなに努力しても、どんなにたくさん走っても、どんなに気持ちを込めても、それが結果に結び付かなければ、意味はない。 競技スポーツはそういう世界だ。少なくとも僕はそう考えている。 適切なタイミングでの適切な負荷。 適切なタイミングでの適切な休養。 適切なタイミングでの適切な食事。 適切なタイミングでの適切な意識。 適切なタイミングでの適切な行動。 パフォーマンスに

          ただし、それが正しい努力なら

          ずっと敬遠していたウェイトトレーニングを7ヶ月続けてみて僕が考えたこと

          僕は2021年12月にパーソナルでウェイトトレーニング(以下、WT)を始め、現在(2022年7月)まで約7ヶ月継続しています。 当時、足首の痛みや違和感がなかなか無くならず、負のスパイラルを抜け出せずにいました。そのような足の痛みを無くして、ケガを防ぐための一つの取り組みとしてWTを始めたわけです。 結論から言うと、(因果関係はさておき)足の痛みはほとんど無くなり、レースに出場できるまで回復することができました。そして、実際にやってみた肌感覚として、WTには「ケガを防ぐ身

          ずっと敬遠していたウェイトトレーニングを7ヶ月続けてみて僕が考えたこと

          2021振り返りとか、抱負とか

          今回は2021年の振り返りと2022年の抱負として、一番辛かった時期の朝の風景をエッセイとして書いてみました。ちょっと際どいことを書いているので誰でも読めるようにするのはちょっとなぁと思い、初めて有料記事(100円)にしました。 ご興味ある方、応援して下さる方はご購入頂けるととても嬉しいです。 ーーーーーーーーーーーーー

          ¥100

          2021振り返りとか、抱負とか

          ¥100

          「自分の頭で考える」を考えてみた。

          「自分の頭で考えなさい。」 スポーツや部活動の場で、誰もが一度は言われたことがある言葉ではないでしょうか? 僕も言われたことがあります。 当時、思考力が皆無だった僕は、その言葉の意味がまったく分からず、トンチンカンな解釈をしてよく怒られていました。泣 ですが、今になってようやく、その言葉の意味を理解できるようになった気がするんです(おそい) そこで今回は「スポーツの場面において、自分の頭で考えるとはどういうことか」について、自分なりに考えていきたいと思います。 以

          「自分の頭で考える」を考えてみた。

          故障で苦しむランナーに僕が伝えたいこと

          今まで僕は数多くの故障を経験してきました。その中で僕は数多くの間違った選択をしてきたように思います。故障との向き合い方がヘタクソだったとも言えるでしょう。正しい知識を持っていれば、もっと早く治すことができたケースも多かったはずだと反省しています。 なので今回は「僕が故障中にした3つの失敗」と、そこから学んだことをまとめることにしました。それが誰かにとっての「故障を乗り切るための指南書」になるかもしれないと思ったからです。 「再び気持ちよく走りたい」と強く望むランナーの方に

          故障で苦しむランナーに僕が伝えたいこと

          きっと僕はスポーツから贈与を受け取ってきた

          今まで僕は選手として20年以上走り続けてきた。そうして今も走り続けている。 どうしてそこまで夢中になれるのか。その理由は自分でもよく分からない。 きっとスポーツには何か不思議な力があるのだろう。それにスポーツ(陸上競技)によって、僕という人間のほとんどが形作られてきたような気がする。 では僕が「スポーツから受け取ってきたもの」とは何なのか。 今回はそれを「スポーツの2つの側面」に分けて考えてみたいと思う。 スポーツと「ゲーム」スポーツには自分の身体に対して何かの選択

          きっと僕はスポーツから贈与を受け取ってきた

          「走ることが楽しい」と言えなくなったら

          「その年齢までよく競技を続けているね」 「よほど走ることが好きなんだね」 最近そんなことを言われる機会が増えた。 僕としては好き嫌いとは関係なく、(登りたいと思う)高みを目指す姿勢が昔から変わっていないだけだ。チャンスがある限り、それは変わらない気がする。 だだその一方で、いつからか走ることを「好きです」「楽しいです」とは素直に言えなくなった。 「走ることは好きか?楽しいか?」 その問いに正直に答えようとすればするほど正確な言葉が出てこないのだ。 その理由は「走る

          「走ることが楽しい」と言えなくなったら

          ランニングがサイエンスを「活用してこなかった」理由を考える

          先日、SAJ2021のセッションを観させて頂いた。テーマは「スポーツサイエンスと人間回帰」。 トレバー・バウアー投手はテクノロジーを活用し、課題を可視化しながら戦略的にトレーニングを行う。例えばハイスピードカメラを使って投球術を磨き、数名のコーチ(バイオメカニクス、パフォーマンス、ストレングスなど)と連携を取り、トレーニングプランを決める。それに加えてアナリスト(分析家)や医師ともコミュニケーションを取る。 彼はサイエンスの対比としてアートという言葉を使う。試合では無意識

          ランニングがサイエンスを「活用してこなかった」理由を考える

          アンドロイドは世界最速のランナーになる夢を見るか?

          今回は、哲学者・歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が予言した、「アルゴリズムによって支配される近未来の世界」を参考に「究極の速さを求めるエリートランナーは一体どうなっていくのか?」を妄想してみました。 “あくまでエンターテインメントとして”、お読み頂ければ幸いです。 (*このnoteは2021年1月現在に書かれたものです。) ハラリ氏によれば、近い将来、ITとバイオテクノロジーの進化によってAIが搭載された超小型センサーが開発される。人類がそれを体内に埋め込むことで、我

          アンドロイドは世界最速のランナーになる夢を見るか?

          アスリートこそ、自分の強みを知れ

          さて皆さま、ストレングス・ファインダーをご存知でしょうか。日本語に直訳すると、Strength(強みを) Finder(見つけるもの)。 ストレングス・ファインダーは、“自分の「強み」を理解して活かすこと”を目的として作られた、ビジネス界では有名な自己分析ツールです。現在、なんと世界で2400万人以上がストレングス・ファインダーのテストを受けられているそうです。 僕は、アスリートこそ、このストレングス・ファインダーを受けるべきだと思います。その理由は、自分の「強み」の裏返

          アスリートこそ、自分の強みを知れ

          2020振り返り

          こんにちは。プレス工業の山田翔太です。 たまにはアスリートらしく、自身の振り返りをしたいと思います。(今までとは) 2020年を振り返ってみると、社会の流れが大きく変わったように、自分の内外においても大きな変化があった一年でした。 その中でも2つ。 ①「noteを書き始めたこと」 ②「選手としての活動」 それらを雑記としてまとめてみました。 もし良ければ最後までお付き合いください! ①2020年振り返り〜note編〜2020年、自分の中での一番の挑戦は「not

          2020振り返り

          凡人が「天才に勝つための戦い方」を必死になって考えてみた。

          『自分に能力がないなんて決めて、引っ込んでしまっては駄目だ。なければなお良い。今まで世の中で能力とか才能なんて思われていたものを超えた、決意の凄みを見せてやるというつもりでやればいいんだよ。』(岡本太郎) 僕にとっての決意とは、「センスの正体」を徹底的に考え、天才と呼ばれる人たちに真正面から勝負を挑むということだった。 そこで今回は、「センスの正体」である「身体を思い通りに動かす技術」を向上させ、優れたランニングフォームを作るための具体的な方法について、僕が多くの失敗から

          凡人が「天才に勝つための戦い方」を必死になって考えてみた。