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出来る生徒を伸ばすアメリカvs底上げ力の日本

アメリカの学校で勤務して気づいた最も大きなことは、日本の教育には底上げ力が半端なくあると言うこと。そして、逆にいえば出来る生徒には特別な事は何もしていない、ということ。

それに最初に気づいたのはアメリカの先生からの質問でした。

「日本では、出来る生徒を更に伸ばすためにどんなことをしていますか?」

「・・・。」
「うーん。なんてこった、特に何も思いつかない・・・(涙)。」

教室で40人を見ていると、気になるのは「できない子」の方。教師が気になるのは欠点を取らせないようにどうすればいいか。欠点を出したときの保護者への説明責任についても頭をよぎります。

一方、出来る生徒については「自分で勉強しているから大丈夫だろう」といった認識です。考えると情けないですが、大学進学で上を目指している生徒は塾にも行っていると言う安心感もあります。もちろん進学校では様子が違うことは承知していますが、その他大勢の日本の学校では少なならず同じことが起こっているのではないでしょうか。

結果として、落第する生徒数は減ります。テストの点が悪い生徒には補習も補充もあるので救われるケースが多く、教師も救おうとします。学年という集団からはみ出ないよう、また全員がある程度(欠点を取らないぐらいの)知識や能力を身につけることに重きをおいているのてす。

一方、アメリカは下のリンクの話でも書きましたが学びの個別化(Differentiated Instruction)が進んでいます。

自分の学習レベルに合った学びをすることが促進されていますから、出来ない生徒に合った学習ツールが提供されるだけでなく、できる生徒にはさらに出来るようになるための学習ツールも用意されなければなりません。アメリカ人の先生に日本はどう対応しているかと聞かれた背景にはこのような流れがあったのです。

アメリカには才能のある生徒が通う学校もあるほどで、日本のような出る杭は打たれる発想はまずありませんから、出来る才能をできる限り伸ばす教育がなされています。できない生徒についての考察については以下に書きました。

私の見立てでは以下のことが言えると思います。

アメリカでは、できる生徒はどんどん出来るようになっていく一方で出来ない生徒はザルのように落ちこぼれていき、ギャップがどんどん広がっていく。
日本では特段できる生徒は稀だけど、ほとんどの生徒がある程度の能力や知識、そして規範意識を備えて卒業していく。

できる生徒を更に伸ばすアメリカの教育底上げ力がある日本の教育

国によって違うスキルや能力を備えた人材を輩出しているということは、ひいては国づくりにも繋がります。意外と意識していないかもしれませんが、日々の中に大切なメッセージ、伝えたいですね。

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Kae Takaoka
Teachers of Japanではティーチャーアイデンティティ (教師観)の発見を通じて日本の先生方がもっと自分らしく教育活動に専念し本来は多様である「教師」の姿を日本国内外へ発進しています。日本の先生の声をもっと世界へ!サポートいただけたら嬉しいです。