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JROTCの授業

日本の公立高校では絶対にない授業の一つがJROTCと呼ばれるもの。

頭文字の「J」をとった「ROTC」とは日本語で予備役将校訓練課程の略で、JROTC(Junior Reserve Officers’ Training Corps)とはジュニアレベルの予備役将校訓練課程、つまり、米軍からスポンサーを受けている高校の授業のひとつなのです。

JROTCは選択の授業でしたから、全ての公立高校で開講している授業ではないでしょうが、学校で軍隊の授業がある!?というのは驚きでした。
担当教諭はベトナムからの移民として幼い頃にアメリカにやってきた元軍人で、日本にもいそうな感じの柔らかいけど厳しそうな男性の先生でした。

何をしているかは詳しいカリキュラム内容まではわかりませんでしたが、外で体力作りをしているのは何度か見かけました。生徒が軍人さながらのかっこいい制服を着ている姿も良くありました。また、毎日、校庭で国旗を掲揚するのもJROTCの生徒の仕事でした。早朝の誰も見ていない中、複数名で隊列を組み、敬礼しながら国旗を揚げている姿は凛々しかったのを覚えています。

私が教えていた日本語クラスでもJROTCの授業をとっている生徒が何人もいました。そのうち実際に学校を卒業したら軍隊へ進学する生徒もいて、将来海軍で日本に赴任したいから日本語を取っていると話していました。

実際、JROTCの授業を取ったからといって入隊することが義務付けられているわけでもなく、この授業が入隊のための授業として位置づけられている訳でもありません。むしろ、規律を守る大切さなどが勉強できる場としてアピールしているようでした。

「でも軍の授業ってな〜」と日本人ならもってしまうタブー感。アメリカにはないんですね。日本の自衛隊とは違って、学校で軍隊のリクルーターの方を見かける機会も多くありますし、JROTCにせよ、高校と軍隊の距離感は想像以上に近いようでした。

ご興味あれば「学校で軍人を称える違和感」もお読みください。



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