アメリカは特別支援学校がない?
アメリカの公教育においてインクルーシブであることは大前提。日本のような特別支援学校はありません。校内に特別支援の先生方がいて一緒に働いていました。特別支援を受ける生徒も同じ校内で過ごします。
それは全く特別な事でなく、日本のように別の学校になっている事の方がアメリカ人の先生には驚きのようで、「日本では特別支援の生徒は別の学校に行くんだってね!」と言われました。別学校ということは非インクルーシブですから、そのコメントをされた先生としてはきっとネガティブな意味で捉えていたのだろうと思います。
特別支援を担当する先生方の多くはパラと呼ばれていました。パラとはPara Educatorのことで主に特別支援やその他の教育業務のアシスタントをする教育補助員です。教えることはできませんが、支援の必要な生徒や教室でサポートを行います。私の勤務校にいらっしゃったパラの先生がたはどなたも気さくで明るく、温かい先生方が多いのも印象的でした。
また、IEP(Individualized Education Program)といって発達障害などで特別な配慮が必要な生徒への支援もありました。 教室での様子を見守り、教室で授業を受けられない状態になったり、課題を提出できないことがない様にフォローアップがあったり、スクールカウンセラーや保護者を交えたミーティングもありました。支援が必要な生徒へのサポート計画がしっかりと練られており、各教科の担当がどの様なことができる様になったか、難しいかなどを共有しあう場でもあります。
話が少しそれますが、発達障害や不安症などで薬を服用している生徒が多いのにも驚きました。日本では逆にサポートが必要な生徒が発達障害と認定されておらず保護者の理解があればと思うこともありましたが、アメリカでは、この子は日本なら特に集団としてやっていけそうだという生徒でも、しっかりとIEPがついていていたり、薬のせいでぼーっとしている生徒がいたりと、少しやりすぎなのではと思ってしまうこともありました。文化によって認識や対応が違うのことも興味深いです。
ちなみにLearning Braille という写真は公園にあった遊具。小さな子ども多くあそぶ空間にこういうのが普通にあるのが素敵です。