愚かな女2のあとがき〜あのころについて思うこと〜
みなさんおはこんばんちわ。
愚かな女。2はお読みいただけたでしょうか?
あとがきを書こう!と思ったのはこのシリーズを書きながら思いつきまして、また当時の心境と今のそれは、かなり違う部分が多くあり、ある種の補足やイイワケ的言葉を書きたいなぁと思い、つらつらと書き始めました。
書きながら、
「もしかして、あとがきの方が人気出ちゃったりしてww」などと考えていたら
本当にそうなりました。
ねぇ、皆さん本文読んでます?ねぇ??
2の方に関しましては言わずもがな、結構ショッキングな話が出てきます。
当時の私も、そりゃあもう驚きました。
驚いて何も言えないくらいでした。また、内容が内容だけに、誰にも話せませんでした。
赤裸々な性行為とだけ書き、内容を全て省きましたが、その話も本当に低俗で生々しく、そして大して面白くもなく、なぜ千夏があんなにも笑顔でまくし立てるのか、私には理解不能でした。
それでも、性の快楽を覚えたばかりの人間というのは、皆そんなものかも知れません。
若さ故、皆に自慢げに話したい時もあるでしょう。(彼氏彼女できたらさ、みんなセックスの話するでしょ?ね??)
さらに千夏は若くして結婚、そしてお腹にはかわいい赤ちゃんもいました。
全て私の憶測ですが、そういった理由から脳内にはハッピージュースが溢れていて、さらに周りからの羨望も浴びたかったのかも知れません。
ここまで書くと、察しの良い方?なら分かると思いますが、千夏は決して「遊んでる子」ではありませんでした。
本当に「遊びたい」人間であればあるほど、避妊を怠ると言うことは絶対にしません。
つまり千夏は、その言動からは想像できないほど彼に一途だったに違いありません。
とにかく彼女は、その彼の事が大好きでした。
千夏は、1のあとがきでも書きましたが、派手な雰囲気の女の子ではなく、どちらかと言えば大人しい性質の女の子でした。
また千夏は、育ちの良い子特有の明るさと、大らかさを持っていました。それ故、悪意への対処は不得手で、明らかな嫌がらせを受けても、苦笑いをしその時が過ぎるのを待っていました。
千夏は、私の知る限りですが、その優しさを、いつも特定の意地の悪い女子にとことん利用されていました。
実は成人式の場でも、あのタチの悪い女どもが、中学生の時と同じように、同じことをしようと千夏に近づきました。
しかし千夏は、相変わらずヘラヘラとした苦笑いをしながらも、その悪意に対し一貫してNOと言い続けました。
その結果、タチの悪い女たちは、それなりに粘りましたが帰って行きました。
真のバカは、いつまで経っても変わりません。
でも千夏は、確実に変化していました。
ちなみに、私はタチの悪い女連中と千夏のやりとりの間、いないものとして扱われました。(未だかつてないガン無視をされた)
そりゃあそうですよね。
私はあの会場で
一番美しかったですから。
誇張でも何でもありません。
心も体も不細工な彼女たちには、私を空気にするしか術がないのです。
実際の私は、あまりに幼くどうしようもない彼らの愚かな行動に対し、思いっきし鳩豆を喰らい、驚きを隠せず目をパチクリ、めちゃくちゃ動揺しました。仕方ないけど情けない。
いやー、陰でお互いを罵り合う、交流のほぼなかった2人がタッグを組み、かつの小馬鹿にした同級生に絡むなんて、本当に愚かで哀れでした。
私は彼女らの着る振袖たちが不憫でなりません。
色んな手や人の心が入った美しい着物は、彼らには似つかわしくありません。
さぞや着物たちも、がっくりした事でしょう。
千夏がお腹の赤ちゃんにした事は、若さゆえの過ちとして看過されるべき事なのか、それとも弾糾されるべき事なのか、私の意見は、今も昔も後者側です。
どのような理由があったとしても、命を利用するというのはあってはなりません。
さらに彼女は、この世で最も弱く、日本では人権すら与えられない命を利用しました。
私は、絶対に許されない事だと思っています。
私自身が母親になったことにより、その思いは強くなりました。
手段、という意味であれば、千夏のしたことは最強のものです。
千夏は自身の身体を最大限に利用し、そのカードを手に入れました。
千夏は喜んだでしょう。これで大好きな男を一生繋ぎ止められるんですから。
きっと子どものできた喜びは二の次だったはずです。彼女はずっと、自分の事しか考えていないはずで、そうでなければ出来ない行動でした。
千夏は東京で、一体何をしていたのでしょう?
きっと毎日、あの男とセックスをしていた、というわけではないはずです。
ですが、千夏の口から東京での生活が語られる事はほとんどありませんでした。
ただ、千夏の夢、ニューヨークの舞台に立ちたいと言う夢は伊達ではなかった、という事を知ったのも、あの日のカラオケボックスでした。
千夏の歌声は、他を圧倒する声量がありました。
それはあのせまいハコには全く似つかわしくなく、思わずマイクの音量を下げたほどでした。
そのパワフルで伸びやかな声質は、彼女の十八番だったディズニーソングを歌うと、あの場末のカラオケボックスでさえ、鮮やかなステージに見えました。
彼女は本当に歌を愛していました。
それほどまでに力強く、ソウルフルな歌でした。
千夏が夢に向けて、今までトレーニングを積んできたことを知るには十分すぎました。
だからこそ私は、彼女のした行動があまりにも浅はかで、閉口せざるを得ないのです。