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あの人の記憶3
ずっとずっと好きだった
何もかも忘れるくらい
すべてどうでもよくなるくらい
ずっとずっと好きだった
どうしても忘れられなくて
どうしようもなく
かなしくて
ずっとずっと好きだった
誘ったのは私だけど
そう仕組んだのは
彼だった
ずっとずっと好きだった
都合よく利用するのは
わかってた
もっともっと欲しかった
急に大人になるのは
無理だった
ずっとずっと好きだった
重ねられた
いいわけと怠惰
見つめられるたびに
幸せになれないと思った
ずっとずっと好きだった
利用されてるのは
知っていた
でももう
それすらも構わなかった
ずっとずっと好きだった
あの時
あの瞬間
私はずっと
忘れないだろう
あの人の吐息は
コーヒーの匂いがした
キスをすると
その匂いが交じる
私のいたるところをキスしたけれど
私にそれは
まざらなかった
窓ガラスが結露する
あの時も
ずっとずっとそうだった。