「キツネ山の夏休み」をもう一度読んで / 大人の読書感想文
小学生の時、夏休みの宿題で何が1番苦手でしたか?
結構多くの人が読書感想文と答えるんじゃないかと思う。
みんなひぃひぃ言いながら作文用紙3枚をなんとか埋めようと、すでに習っている漢字をわざとひらがなにしたり、「、」「。」を必要以上に多用したり、なんせ文字数稼ぐのに必死!なんならラス1の作文用紙の真ん中のライン超えて2〜3行あたりまで書いたら、ねぇここまで書いたらもう3枚だよね?大丈夫だよね… いいよねぇぇ?!みたいな空気感。
私はどちらかというと読書感想文は得意な方で、どう得意だったかと聞かれると答えるのが難しいけど、算数ドリルやる方が全然苦痛だった。し、読書感想文を書くという名目で、毎年課題図書の注文書の中から一冊本を買ってもらえるのはうれしかった。
今年の夏、いとこが住んでいる岐阜に数日遊びに行った。岐阜を訪れるのは彼女たちの結婚式以来で5年ぶり。
「有名な水まんじゅうの和菓子屋さんあるけん食べに行こ〜!」ってことで、わたしの岐阜観光のために連れて行ってくれた、大垣駅前の金蝶園総本家。
水まんじゅうと言えば、岐阜の水都と言われる大垣(おおがき)らへんの名産らしく、ふとわたしの頭の中に、小学生の時に読んだ「キツネ山の夏休み」の1シーンが蘇った。
おばあちゃんと男の子が、和菓子屋さんで水まんじゅうを食べるシーン。その水まんじゅうの上に氷が削られて、それが冷たくておいしそうで、わたしも食べたい!と思ったことを思い出した。
「小学生の時、読書感想文書くのに読んだ本の中に、水まんじゅう出てきたんよ。このへんが舞台設定だったんかなぁ〜懐かしい!」
「ようそんな前のこと覚えとんね!」
そんなことを話してると目の前に運ばれてきた水まんじゅう。半透明のお皿の中に、簡単に噛み砕ける小さな氷たちと、こしあん・抹茶あん・パイナップルあんがそれぞれぷるりと透明に包まれた水まんじゅう。
「この氷と水まんじゅうをスプーンで一緒に食べるんよ」
なるほど!これ氷で冷やしてるだけじゃなくて、一緒に食べていいんや〜!
シャリシャリとぷるぷるとほんのり甘くて、ここでしか食べれん特別感にも小さく感動した。
愛媛の自宅に帰ってから「あの水まんじゅうのシーン、もっかい読みたい!」ってなって「キツネ山の夏休み」をひっさしぶりに手に取った。ほんと、小学生ぶりに。
最初のページをめくった時、思った以上の文字の小ささと本の厚みで「え、こんな分厚いの最後まで読めよか…」って尻込みした小三の自分を思い出した。
なんで課題図書の中から「キツネ山の夏休み」を選んだかというと、完全なるジャケ買い。多分あらすじも読んだとは思うけど、それよりも表紙のイラストが好きだった。むしろ、表紙が気に入ってなかったら、わたしはぷるぷるの水まんじゅうに憧れることもなかったかもしれん。
約30年ぶりに読む、小学生男子の田舎町でのひと夏のファンタジー。
これこれ、これだよぉぉぉ!!なんなら今の技術でアニメ化して欲しい!ホラーとはまたちょっと違う、不思議体験を夏休みにしたい勢(?)だったので、今読んでも胸熱だった…!し、読み直して見るとストーリーの大半はかなり忘れてた。30年前の本なのに、現代に通じる胸打つセリフも多くてじーーーんとなること数回。
そして水まんじゅうシーンとの再会。
「駅前の老舗の和菓子屋、金蝶…堂。ん?え、えーーーー!!!ここここれ、こないだ行った金蝶園がモデルやん絶対!!」
30年後のまさかの伏線回収に、感動と驚きで涙!
あとがきを読むと作者の冨安さんの旦那様が、少年時代を過ごしたのが「大垣」と記されていて、涙 part.2!
もう何がなんやらテンション上がりすぎて、とりあえず岐阜のいとこに即連絡!
なんだかある意味、"ひと夏の不思議体験"っぽいもの成し遂げた、38歳の夏。
ここまでの、この記事の文字数で約1800文字。400字詰めの作文用紙が4枚半。
読書感想文を書くコツとしては、大人になったわたしがひとつ気づいたのは「楽しかった」「うれしかった」「おもしろかった」って思ったり感じたこと以外に、何か体験・経験したことを交えながら書くと、知らず知らずに文字数は伸びていくんかな?
でもまだ小学生は語彙や感情のレパートリーが大人よりも少なかったり、作文そのものの組み立てをするのがきっと難しいところでもあると思うんやけど。
どうやって読書感想文をするりと終わらせてたんだ小学生のわたし…ほぼ直感で生きてるから、自分ができることを人に説明するのがすこぶる苦手である。
もう始業式やけど読書感想文まだの小学生たちファイト!
そして大人の読書感想文を書いた人などいれば、ぜひシェアしてね!
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