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伴走型支援の「つながり」のなかでKAERUができること

こんにちはこんにちは!
KAERUラボです。

少しずつですが、このnoteへのアクセス数が増えてきました。

「KAERUってなんだろ」「KAERUって便利なのかも」と、興味を持って訪れてもらえたかなと思うと、すごく嬉しいです!

これからも、このnoteに来てくれたみなさまに、新しい気付きや役立つ情報を届けられるように、みまもり機能付きプリペイドカード「KAERU」の運営やサービス改善を通じて得た知見を発信していきます。


今回の記事は「つながり」をテーマにして、「伴走型支援」や「デジタルとアナログ」を取り上げました。

KAERUは一人でも二人でも使えますし、チームを組んで三人以上で使うこともできますが、今回は二人以上で使う場合を想定した内容となっています。

人々の「つながり」の形は無限にあり、KAERUがつくる「つながり」はそのなかの一つです。

まだまだ支援の実践のなかに届けられていない「つながり」がたくさんあるはずなので、これからの「つながり」に求められることを、みなさまと一緒に考えていきたいとも思います。




「つながり」をつくる伴走型支援

伴走型支援とは何かというところは、そのネーミングからふんわりと掴めるかなと思いますが、日本伴走型支援協会の説明がとても分かりやすいので、一部を引用します。

伴走型支援は、深刻化する「社会的孤立」に対応するため「つながり続けること」を目的とする支援である。それは「孤立しない社会の創造」を目指す社会活動だと言える。

伴走型支援とは | 一般社団法人日本伴走型支援協会

伴走型支援では、「問題を解決して支援はおしまい」とするのではなく、当事者が自立して、自分らしい生活を送るために、支援者は伴走者の役割を果たします。


例えば、ひとりの高齢者 (当事者) が日常生活のなかで孤立しがちだとします。支援者は、当事者のニーズを理解し、地域社会に積極的に参加できるようなプログラムを提案します。プログラムの一例としては、公民館で開催されるワークショップや健康体操、学校や福祉施設のボランティア参加などがあります。

支援者は当事者に同行して、他の参加者に紹介をしたり、相談に乗ったりして、最初のつながりをサポートします。そして、その後も定期的に連絡を取り、参加状況を確認して、必要に応じてモチベーションを高めるサポートをします。

ところが、地域社会に参加できたと判断された後も、時間の経過と共に、徐々に参加しなくなり、人々との接点がなくなり、再び孤立することがあります。そのような場合、支援者は「当事者」と「生活環境」を俯瞰して課題を探り、次のアプローチを探っていきます。

伴走型支援はこうしたプロセスを通じて、当事者と人々をつなげていき、地域社会のなかで生きていく生活環境を整えていきます。


なお、支援には伴走型支援の対となる「問題解決型支援」もあります。伴走型支援と問題解決型支援はどちらも大切で、それぞれのアプローチを組み合わせて、当事者の抱える課題の解決を目指します。

「ひとりにしない」という支援重層的支援体制整備事業「伴走型支援の考え方」について (2021)

上の図は、先ほど引用した日本伴走型支援協会の代表の方が整理された概念図です。左側が問題解決型支援、右側が伴走型支援となり、それぞれのアプローチを両輪にして支援をすることの大切さが描かれています。


デジタルが生み出す「つながり」のグラデーション

KAERUはお買いものを通じて、人々の「つながり」をつくります

ここ数年で家電に「みまもり機能」が付いた製品が多く登場し、デジタルやインターネットによる「みまもり」が注目されるようになりました。

GPSやカメラなどは、みまもられる側の位置や姿をはっきりと捉えます。そのため、みまもる側とみまもられる側の間に、つよい「つながり」をつくります。

一方、プリペイドカードKAERUの「みまもり機能」は日常に溶け込みます。みまもられる側をふわりと捉えるので、ゆるい「つながり」をつくることができます。

どちらの「つながり」も大切です。つよい「つながり」は、みまもられる側の安全と健康を確保するために、リアルタイムで詳細な情報を把握し、緊急時に即座に対応できる支援体制をつくります。

一方のゆるい「つながり」は、みまもられる側の人々の自立を尊重しつつ、必要なときに適切な支援を提供するための基盤をつくります。


ゆるい「つながり」が生み出す距離感は、製品やサービスによって様々です。例えば、象印のポットには、ポットの使用状況を家族と共有して、ゆるい「つながり」を届けます。

見守り家電事例 : 象印のみまもりほっとラインサービス

KAERUとポットを比べると、利用する場所や使う頻度は異なります。また、みまもる側とみまもられる側の生活環境や関係性によっても、その良し悪しは異なってきます。

そのため、お互いに相談しあったり、実際に試してみたりして、どのような支援の形が相応しいのかを探ることが重要です。

こうした様々な製品やサービスがあるからこそ、私たちはグラデーションのある「みまもり」を組み合わせることができ、それによってお互いの心地よい距離感のなかで、大切な人を支えることができます。


心地よい距離感をつくることは、先ほど取り上げた「伴走型支援」にとっても、強力なツールとなります。

24時間付きっきりで伴走できるならいいのですが、社会にある様々な問題と対峙していくには、どうしても会えない時間があります。また、例えずっと付き添っていたとしても、それは当事者の自立意欲を阻害したり、当事者にとって少し窮屈に感じてしまうかもしれません。

伴走型支援の実践において、どのように当事者と伴走するのかは課題です。そのための手段の一つとして、デジタルな製品・サービスがあります。


普遍的価値のあるアナログの「つながり」と共に

ここまでデジタルによる「つながり」に触れてきましたが、忘れてはいけない大切なことは、「どれだけデジタル技術が進化しても、人と人との直接的なつながりの価値は変わらない」ことです。

従来のアナログの「つながり」をデジタルの「つながり」に置き換えるのではなく、アナログとデジタルの両方を組み合わせて、より良い支援へと発展させていくことが大切です。

例えば、KAERUは金銭管理をデジタル化します。これまでは銀行に足を運んだり、両替手数料を支払ったりといった不便がそこにありました。KAERUの導入によって、物理的な移動やコストの削減が可能になります。

そして、それによって浮いた時間やリソースを、アナログの支援のなかで使うことができます。例えば、対面によるおしゃべりの時間を増やすことや、浮いたお金でプラスのサービスを届けることができます。

言わずもがなですが、アナログとデジタルの融合が、より豊かな支援環境を構築します。


人類の歴史を振り返ると、様々なものやサービスが設計 (デザイン) されてきました。例えば、フォークは食器として、食事の際の便利なツールです。しかし使い方を一歩間違えると、それは人を傷つける凶器にもなります。

しかし、私たちがフォークを食器として使い続けられているのは、刃先を丸くして垂直に力が入らないようにしたり、人の手の形に似せてものを掴むことを連想させたりといった設計が施されているからです。

ただ、どれだけ便利で安全と思えるツールでも、使う人が悪意を持ってしまえば、それは途端に人を傷つけてしまいます。

そのため、ツールをつくる側 (設計する側) は、ツールをより便利に設計することに加え、そのツールを使う人が①より安全に使えること②ツール本来の価値を理解しやすいこと、を設計することが求められます。

KAERUも同様で、どれだけ便利であっても、それが支援の実践に求められる形でなければいけません。特に福祉や支援といった領域では、デジタルだけの支援に終始するのではなく、アナログ支援も包括した製品・サービス設計が不可欠です。

KAERUではそのための手段として、支援の現場でヒアリングを重ねたり、ケアワーカーとして実践の場に立つことを通じて、多様な意見や情報を集めています。
(様々な現場でご協力、フィードバックしてくださるみなさま、いつも本当にありがとうございます!)


補足ですが、今回の記事で触れたデザインの考え方は、下記の書籍が詳しく載っているので、ご興味ありましたらご参考ください。


カバンから そっとみまもる KAERUかな

外出の際に、カバンのなかに入れるものとして鍵と財布、そして携帯電話があります (もちろん手ぶらを好む人や、携帯電話を持たない人もいるので、個人差はあります)。

KAERUは、カバンのなかの財布から、そっとみなさまをみまもり、そしてつなげていきます。誰もがお買いものを楽しめる社会を目指して、安心してショッピングができるように、KAERUがお手伝いします。

日本の文化や、これからの人口動態 (超高齢社会) において、どのような「みまもり」や「つながり」が必要なのかを、これからもKAERUは考えていきますので、これからもよろしくお願いします!

KAERUへのお問い合わせは (Contact | KAERU株式会社) よりお願いします。


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