だってみんな、元子どもだから 〜映画 『夢みる小学校』上映会主催「楽しいご近所さん」村上亜紀さん 〜
「なんかやりたいよね」「文句ばっかり言っててもね……」そうして、一歩踏み出したエネルギーは、次の誰かを巻き込んで、また楽しい循環に。
今回のヒトREライトは、『夢みる小学校』(『いただきます』シリーズ オオタヴィン監督)上映会を主催された、「楽しいご近所さん」の村上亜紀さんです。上映前と後にインタビューさせていただきました。
学校へ行かないという選択
「ちょうど私が仕事を辞めたくらいから、12歳の長女が、学校に行かないという選択をしたんです。そうすると、『どうして僕だけ行かなきゃならないの?』って、下の8歳の子も……」
村上亜紀さん自身は、「自分が学校に行かないという考えもなかった。確かに行きたくない日もあったけど、それよりも、集団で同じように動いているところから抜けることのほうが怖かったのかも」と、自分自身の学生時代を振り返ります。
「今は、仕事を辞めて、自由人!
フォーティファイブよ! あきちゃんって呼んでね」
と、気さくな村上さん。
ふとしたきっかけで次に
子ども服の販売員をしていた時、接客中に同じ境遇のママと出会ったことから、『夢みる小学校』のこと知り、直接劇場に足を運んだという村上さん。その後、自主上演解禁の知らせを受け、「夢みる小学校上映会 in 大正」の主催を決意したといいます。
「大人のことを『元子ども』と呼んでいたことですね。子どもが主になって企画する運動会のシーンがあるんです。綱引き対決は、大人である元子どもも、一切手を抜かずに真剣勝負していたんです。子どもも、元子どもも、自分たちが楽しむことを自らつくっている、そんなシーンでした」
「そうですね。大きな1つ目は、去年の2月ごろから、マスクを外しました。それから、雨降り以外の毎夕にゴミ拾いをします。これは気が向いた時なんですが、近くのグラウンドでひとり、しかも、我流のヨガをしてます(笑)」
「TGAL(Think Globally,Act Locally)の活動を見ていたことも大きいかもしれません。私の周りには、環境活動や自主映画上映を主催するメンバーがいて刺激を受け、後押しされました。それと、この上映会は20〜30人くらいからの小規模開催でもよかった。それなら私にもできるかも!と。何より、素敵な相棒、小西さんがいてくれました」
主催「楽しいご近所さん」
「日頃から、『近所』を意識して、なんかやりたいよね」って、小西さんと話してました。小西さんが申し込み・連絡フォームのための公式ラインを開設してくれて……。その時、閃いて主催名は『楽しいご近所さん』になりました」
「ゴミ拾いを一緒にやると言ってくれたりします。学校での環境委員の活動でも積極的に提案していました」
「うーん、確かにいろんな影響があるかもしれません……実は、その提案を受け入れられず、凹んじゃった。それでまた、学校に行かないということに。その時、正直にいうと、『1回くらいで折れんなよ!』と思っちゃう自分がいました。母親として、複雑なところもありました。もっとこうしたらいいやんって言ってしまいそうになる。自分の中で自分の価値観にも抗うんです」
「私にできるのは、側で見守る、『待つ』選択をするということなのかなぁって。不登校という問題に向きあう時、強制はできないと思いました」
みんな、元子どもだったから
映画に登場するのは子どもファーストの3つの学校。
そのうちの1校、きのくに子どもの村学園学園長の堀真一郎さんは、こう語っています。
「自由には責任が伴うっていうけど、ここではそんなことは言わない。子どもは自由でいい。責任は大人がとるからね」
そして上映会後・・・
上映後、楽しいゲームでチーム割。子どもも大人も「元子ども」に戻って、こんな学校あればいいなぁのシェアタイム。
自由な発想、ワクワクを思い出しながらシェア。
気配り、運営の様子にも「楽しいご近所さん」のフルパワーを感じるおもてなしが。
上映前インタビューは、インスタライブで40分間でした。その衝撃的な生配信の模様は、今でもアーカイブ(にいないしつもん部屋)に残っています。多少、インタビュアの私の滑舌の悪いところもあります。そして、ある事件も前半20分を中心に収録されております。もしよろしければご覧ください。
「楽しいご近所さん」の村上亜紀さん・小西容子さん、そして会場でご一緒くださった皆様、貴重なお話をありがとうございました。
「楽しいご近所さん」の今後の活動も、ますます目が離せません。
上映会参加日:2022年12月3日
(記:香月にいな 2022.12.8)