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バリ島滞在記1話目「完璧じゃなくてもOKと思えた話」

そのコーチングセッションは、深い深呼吸とともにスタートした。

画面の向こう側で、静かな笑みを浮かべて呼吸をしているコーチのりえさん。
その笑顔を見て、「よし、大丈夫だ」と自分に言い聞かせたものの。
胸の奥底にはまだモヤモヤが残っていることにも気づいた。
最近ずっと抱えていたこの感覚。

昨日から、プチノマドワークチャレンジとしてバリ島に来ている。
もちろん、純粋なチャレンジの機会でもあるけど、このモヤモヤ感に向き合いたいな、その突破口を見出したいな、そんな思いもあってここへ来た。

そんなタイミングで、以前から親しくさせてもらっているりえさんの単発でのコーチングセッションは絶好の機会だった。


ここ最近のわたしは、仕事がうまくいかなかった場合、次の仕事で取り返す。そんなふうに走り続けてきた。

「走り続ける以外ないと思ってたんですよね」画面越しに吐露した。

そうやって次の仕事でリカバーするたびに「これで大丈夫」と自分を納得させてきた。でも、それはまるで応急処置のようで、心の奥には常に「これで本当に良かったのだろうか?」という思いや不完全燃焼感が残っていた。

うまくいかなくて、一旦そこで足を止めると、何がまずいのか?と問われた時に、自分の中にはこんな方程式が浮かんだ。

自分が立ち止まる=仕事が止まる=お金が止まる

それを伝えると、さらにコーチは「本当は何が怖い?」と静かに問いかけてくれた。
その問いが自分の深いところに突き刺さった。


本当は何が怖いのか──。


しばらく考えると、奥の方から一つの恐怖が浮かび上がってきた。
「私じゃなくても、物事は回る。私がいなくても、他の誰かが助けになる。」
その思いが、自分の存在そのものを否定するように感じられた。「私は誰かにとって必要な存在ではないのかもしれない」という不安。無価値観。それが、私をずっと追い立ててきたものの正体だった。
だから、ずっと完全を目指さないといけないし。
過去の不完全にもOKを出せない自分。
それがずっと続く、続く…

「トホホ…そりゃ辛そうだ」思わず、内心苦笑いをしてしまった。


相手に貢献したい、役に立ちたい思いが強いんだね。
りえさんからのフィードバックが沁みる。


そして以前、ある国を訪れた時に聞いた言葉を思い出した。
「1つの成功を生む過程で仮に99の失敗があるとする。それも全部、財産なんだよ。」
「だから僕らはその99のプロセスを”失敗”とは呼ばない」。
それを聞いた時に、心から感動したはずだった。
自分の中でも、そのマインドを大事にしたい、と熱く誓った。
それなのに、いつの間にか私は、コップに注がれた水の空いている部分ばかりを見つめるようになっていた。

話をしながら、思わずノートに「失敗ありがとう」と書き込んだ笑


「役に立ちたい」という思いは大切にしたい。
だけど、その思いが強すぎることで「役に立たなければならない」というプレッシャーに変わってしまい、自分に対して失敗することが許されなくなる。
そうなっちゃうと辛いよね。
そうフィードバックをもらった時に。


心の中で静かに決心した。
「完璧であろうとするのはもうやめよう」。

相手を信じ、委ねよう。
委ねることとは、こちらがすべての答えを出すのではなく、「この人ならきっと大丈夫」と信じて待つ。それが、私が大切にしたいことだと気づいた。

お互いの不完全さを認め合うこと。まずはそこから。
完璧でなくても、解決したいという思いを大切にしながら、共に歩んでいきたい。

コーチが言ってくれた「不完全であることは問題じゃないよね」という言葉も胸に響いた。


バリへ来て最初のセッションはりえさんと☆ いい時間だったなぁ〜


どんなに純度100%(Theパーフェクト!)でなくても、そこにはそれぞれの魅力がある。むしろ、少しの澱みや濁りが、味わいになったり、それが親しみを生むのかもしれない。

最後にノートに大きく、「OK! OK! と、口にだす!」と書き込んだ。
完璧でなくていい、失敗してもいい。
リカバーしようと必死にならなくてもいい。
そうやって自分を労わりながら、共に歩む人たちと向き合っていきたい。
そして、最後は相手に、自らゴールテープを切ってもらいたい。

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