書籍『三つ編み』に自分を絡ませて
秋の夜長に。今日は心に深く染みこんだ書籍『三つ編み』について書いてみます。
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今世では抗うことがもやは不可能だと思われる壮絶な境遇から、死を覚悟で抜け出そうと決意する女性。
平穏で代わり映えのしなかった日常に光が差し込み、初めて手にしたこの上ない幸福に浸っていた矢先。根底から覆される衝撃の事実を突きつけられ、リスクを承知で立ち上がった女性。
自らの力で築き上げ、夢に描いた頂点まであと一歩…というところで、予期せぬ敵に奈落の底に落とされ、これまでの運命と決別し、新しい世界へ飛び込むことを決めた女性。
この物語は、そのような国籍も、置かれている境遇もそれぞれ異なる3人の女性が描かれています。
それぞれの女性に、どこか、自分の中にあるものと重ねてみたり。
知人に重ねてみたり。
逆に、このような境遇にもし自分が置かれたら…と想像することすら怖くなったり。
親近感を抱いたり。
胸の奥が苦しくなったり。
自分の中の熱い何かが触発される感覚になったり。
色々な感情、思考、体感を味わいながら、気がづけば、深く深く物語に引き込まれておりました。
読み進めるうちに、それぞれの女性たちに共通するもの…
自らの前に立ちはだかった運命を、自らの力で越えて見せようとする、
強い意志や信念、そして行動力。
自分以外の大切な人を守り抜こうとする計り知れない愛、自分を信じる力、そしてプライド。
それらに深く感銘を受けて、共感する自分がいました。
さらに物語が後半に進むにつれて、交わるはずもなさそうな彼女たちの人生が、交錯し紡がれていきます。
託す者。
繋ぐ者。
受く者。
その展開が本当に素晴らしくて。
いつの時代でも、どこにいても。
自分の中に持っておきたいもの。
それを改めて考えてみたくなる、そんな一冊でした。
p.s.
この本を贈ってくれた友人(R.F. さん)に感謝を込めて。