飛びたいと願わない日はない

詩です。
ただの詩です。



飛びたいと願わない日はない
春風の甘さに包まれてみたい
やわらかな雨で汚れを流したい
夜の訪れを切り裂いてやりたい
 
アバラにものが挟まったような息苦しさ、今日も元気な
重力、どこまでもひろがる青なんてなくて
緑や白や土気色が、巧みな連携で視界を遮っている
骨と骨の隙間に仕掛けられた火薬が、
破裂音を打ち上げて、切り出されるハラワタ
肺、心臓、胃、心臓、胃、胃、心臓、肺、肺、落石注意
あの日から石切り場は稼働し続けています
 
夢という坂はヤスリになっていて
素足のままで行かねばならない
 
デスクライトに焼かれた虫が、紙の上に落ちてきた
のたうちまわる黒い点が、
神様から見たわたしだと思えたときに、コーヒーをひと啜りした



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