【詩】映画館の近くに住んでいても映画好きにはならない

最近のアニメーション映像に、人間の細胞核は
真珠だって教えてもらったんだ。そしたら街の、
朝の金箔夜の銀箔に気付くことができて
世界が変わったんだ。大人は自分の青少年時代の
青春の部分しか覚えてられないから
わたしが制服をやめるのをゆるせない。
わたしが制服で歩いている街は、とってもレンガ。
レンガの真似をしたチェックのスカートが
わたしの細胞構造になり替わろうとしているのを、見ていた。
誰でもなくなったときに
誰かを傷付けることができて、
自分に戻ってこれたときに
罪悪感で、自分を傷付けずにはいられなくなる。
この道はずっと先で垂直にのぼって、
折れ曲がって枝分かれて交差して
頭上に広がる店、人、車。
隅っこで見つけた渦巻きに吸い込まれて、薄明はくめい
腕と胸と腰と足を動かして、安定。



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