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【詩】星霜抄録

夜はきみの若年性恋心を煮凝らせていくね
聞こえるかい?闇が勝利しないと、うたってられない虫の声を
かれらはとても美しい包丁でうすぎりにされていくんだ
とっても美しいんだよ とってもとっても、美しいんだよ
好奇心からきている好奇の目だから
眩しくても、光なんだからいいじゃないか
――ばあちゃんのうでのように細いヒナゲシが風に吹かれて泣いてしまった

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