【詩】爽涼さ
夏のこと、嫌いでいいんだよ
酸素のこと嫌いでいい
じゃあ生きないの?、って、
大上段に構えた言葉を踏み潰す
四十六万八千三百五十二粒
汗を熱せられた大地に渡して
六千七百三十八個
日干し煉瓦を運ぶ
村への水道橋は、三分の二までできた
千早振る神も見まさば立ちさわぎ雨のと川の樋口あけたべ
科学とか合理とか常識が好きな人が、
科学とか合理とか常識と同じ熱量で、
科学とか合理とか常識を超えた才能を崇拝している
村で一番天に近いところ
ただの丘で
正しいこと、嫌いでいい
四十六万八千三百五十三粒目は、
草原に伝っていった
目の前の青空は青い匂いがして、さらに
線香が漂ってきた