【詩】葬式

ぼくが十九歳のとき、二十三歳の友だちが死んだんだ
 セカオワが似合う夜空のイチバン星
 みたいなホクロが、彼女の口元にあって
ぼくはそこにバク転をするように吸いこまれたりしていたんだ
どこからか迷いこんできた痩せこけたタヌキが、
勃起したら、それは性の目覚めだよって教えてくれた
 んだけど、それは土塊みたいなものだった
秋、秋、深まっている秋、
イチョウの絨毯爆撃から逃れ逃れのアリが
忠実に神様に仕えていたのを尊敬していたんだろ
 と言ってくる
そんな状態の言葉だからちゃんと聞きたいんだけど、
それにしては、すこし赤みを帯びすぎている気がして
それでも、しょせん黄色だろ、って言葉で
 ぼくは捨ててしまおうとしていた
葬式の最中に流れなかった涙は最後に顔を見た瞬間に溢れて
 それはきっと、恋心とか尊敬とかの区別がある
 感情の平野を溶かしているはずなのだけど
 とても透き通っていて空虚だった

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