校長の話

詩です


「辛」いことに「一」つ加わると「幸」せになる
という話を笑ったことがあります
なんでも笑いにした方がカッコイイという怪異が
よっつの、ワックスで固めた頭を支配していました
心臓は疑問を感じて、立ち止まろうとしていましたが、
行動を決めているのは頭でした
 
寝て起きる、寝て起きる、寝て起きる
海と街とこいびと達にオレンジ色のタオルケットをかけて寝て、
洗いざらしの真っ白でふわふわな雲海の中から起きる
いつもどおりのことをしているだけなのに
一月一日は、
泣きながら手を合わされて、お礼を言われて、願いをかけられて、
恥ずかしいったらありゃしない
その赤らむ顔もかわいい、って話が通じないなぁ
 
シマウマがネズミを狩る方法をアリに話している
シマウマはスティーブ・ジョブズの真似をしている
アリは今日こそパインアメを見つけると夢想している
 
しろめしが足らなくて、茶碗もかじってしまおうかと思っていると
茶碗がとつぜん喋り出した
「辛」いに「一」つ加わって「幸」せでも
「辛」いを「から」いとして楽しんでも
この世界はコントよりコントな世界になってるんだよ



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