【連載】わたしの読書記録術 ゲスト:みおりん ――なおにゃんさん『今日も一歩も外に出なかったけどいい一日だった。気にしすぎさんが自分軸を作るまで』を読んだあとに。
新しい本を1冊読む度、過去に読んだ本の記憶は少しずつ薄れてゆくものです。
あんなに心を揺さぶられたはずなのに、気が付けばさっぱり思い出せない——。
そんな経験がある方におすすめなのが「読書記録」。
いつどんな本を読んで、何を感じたのか。それらを整理しておくことで、1冊1冊から得た感動をいつでも思い返すことができます。
このコーナーでは、毎回特別なゲストをお招きして、とっておきの「読書記録術」を教えていただきます。
記録の仕方もこだわりも各人各様。思わずまねしたくなるアイデアに出会えるかもしれません。
本を閉じたあとに始まる、「読書時間のつづき」を一緒に味わい尽くしましょう。
※本記事は2024年5月12日にカドブン(kadobun.jp)に掲載した記事の転載です。
みおりんが教える「わたしの読書記録術」第2回
ゲストのご紹介
①選書の理由
今回選ばせていただいたのは、なおにゃんさんの『今日も一歩も外に出なかったけどいい一日だった。気にしすぎさんが自分軸を作るまで』です。
なおにゃんさんはXで、気持ちが楽になる言葉にゆるいイラストを添えて発信されている方。生きづらさやメンタルのことをテーマにした投稿が幅広い共感を呼んでいて、2024年4月時点で24万人以上のフォロワーさんがいらっしゃいます。
今回の本は、『100年後にはみんな死んでるから気にしないことにした』につづくイラストエッセイ。タイトルとやわらかいイラストに惹かれ、手に取ってみることにしました。
わたしは子どものころから、自他ともに認める「気にしすぎ」「気を遣いすぎ」の人間。いわゆるHSP・繊細さんといわれる気質をもっています。
さらに、HSPのなかでもやや特殊なHSS型HSPというタイプでもあるので、「すごく社交的なのに、すごく内向的」「やりたいことが死ぬほどたくさんあるけど、とにかく面倒くさがり」「不安を払拭するために行動しつづけるし、目標を達成しても満足がつづかない」のような厄介な性質を多数抱えています。
……というのもあって、常に活動していないと自分を認めてあげられないわたしは、一日じゅう外に出ない日があるとすごく落ち込んでしまいます(どんな気質の方でも大なり小なりあると思いますが)。わたしの場合、家から一歩も出なかった日というのはたいてい朝から寝坊してそのままだらだら過ごし、気づいたら夕方になっていた、みたいな日なので、「今日なにもできてない…」という強い自己嫌悪に駆られてしまうのです。
だけど、べつに一歩も家から出ない日だって、だらだら過ごしてしまった日だって、誰かに迷惑をかけているわけではないのだし、こんなに自分を責めたくないのにな。そんなふうにいつも思っていたので、この「今日も一歩も外に出なかったけどいい一日だった。」というフレーズは、それだけで心が楽になるものでした。
②読書記録の実例
読書の記録に、わたしは3つのツールを使っています。
1. 読みたい本や読んだ本を記録するための「読書メーター」アプリ
数年前から「読書メーター」というアプリを使って、本の管理をしています。使い方の流れとしてはこんな感じ。
③で、読みはじめではなく40%ほど読み進めてから「読んでる本」に追加するのは、これくらいまで読めば読了する確率が高いからです。わたしの場合、挫折するときは10〜30%くらいのところで手が止まってしまうのですが、「読んでる本」のところには読了予定の本だけを入れておきたいので、このような基準を設けています。
ただ、最近は本を買うとすぐに読み切ってしまうことも多いので、実際には「①→④」と一気に飛んでしまうこともしばしば。昨年(2023年)はこの手順で年間ちょうど100冊の本を読むことができました。
2. 読書ペースがビハインドしているときに使う「やることふせん」
昨年100冊の本を読んだと書きましたが、もともとの目標冊数は80冊でした。
ですが、8月末時点での読了数は45冊。1年で80冊読むためには53冊程度のペースで読んでいないといけないので、少しビハインドしてしまっていました。
そこで活用したのが、写真にある「やることふせん」です。本来はToDoリストを作るのに使うふせんですが、9月から読んだ本のタイトルを、読了日とあわせて書き込むことにしました(読書メーターのアプリも併用)。
このように可視化すると、目標ペースに対していまどれくらい進捗しているのかがひと目でわかるのでとても便利です。着実に進んでいる感もあり、モチベーションも上がりました。
3. 本の内容を記録するための「読書ノート」
普段読む本のうち、内容を特に覚えておきたい本については、簡単な「読書ノート」を作っています。
今回作った読書ノートはこちら。
読書ノートの作り方は以前の連載でご紹介させていただいたので、そちらもあわせてご覧いただければうれしいです(写真付きで詳しくお話ししています!)。
▼ みおりんが教える「わたしの読書記録術」第1回はこちら
③読書記録のこだわり・ポイント
今回作った読書ノートについて、少しご紹介させていただきます。
今回の本は自分自身が参考にしたいという思いに加えて、フォロワーさんたちのお悩み解決にも役立てたいという気持ちがありました。そこで、本を読む段階で2色のふせんを用意し、
と色分けすることにしました。
勉強の楽しみ方を発信しているわたしのフォロワーさんは、下は小学生から、上は社会人(定年後の学び直しをされている方もいます)まで幅広い年代の方がいらっしゃいますが、特に多いのは中高生の女の子です。そうした子たちから毎日のように、「周りと比較して落ち込んでしまう」「自己肯定感が低い」といったお悩みをいただいています。
この本はそんなお悩みにもよりそってくれる内容だと思ったので、これからの発信に役立てられそうなマインドを学ぼうと考えました。
本を読み進めながら、気になったところにピンクまたはブルーのふせんを貼っていきます。それが終わったら、ふせんを貼ったところをノートに簡単に記録していきます。
今回は左ページを自分自身の参考用(「To Me」と見出しをつけました)、右ページをフォロワーさんのための参考用(「To My Followers」と見出しをつけました)としてまとめることに。こんな感じの読書ノートができました。
わたしは毎月読んだ本をまとめて紹介する読書記録記事をブログにアップしているので、「この本はこんな人におすすめしたいなぁ」というメモも入れておきました。
書籍情報
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