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書店員のイチ押し小説 第2回 くまざわ書店・飯田正人さん

書店員さんが「イチ押し」だと思う本は、どんな本なのだろう?
毎日たくさんの作品に触れている「本」のプロたちに、カドブン編集部がイチ押し小説を聞いてみました!
連載第2回は、北海道から沖縄まで、全国に216店舗を構えるくまざわ書店の飯田正人さん!
くまざわ書店グループ全体の書籍の仕入れを担当し、「いま売れているもの」に対して常にアンテナを立てて情報発信している飯田さんに、ご自身の思い出と共にイチ押し小説を伺いました。

今回のゲスト
くまざわ書店営業推進部 飯田正人さん

2024年春にはららぽーと和泉店がオープン

全国に216店舗を構え、町の書店として人々に愛されている「くまざわ書店」。そんなくまざわ書店内で書籍の仕入れを担当している飯田さんが書店員になることを意識したのは、東日本大震災の影響があったそうです。就職活動をしていた2011年に震災があり、メディアで得られる情報にも影響が出てきた時、Twitter(現X)で情報を得るのがよいらしいと聞いた飯田さんは、そこから書店員さんのTwitterアカウントと出合い、その影響で「書店員になるのも格好いいな」と感じて、ご自身もその道を選んだとのこと。

現在はご自身もXで書店員としてさまざまな書籍の情報発信を行っている飯田さん。今回おすすめしてくれる本は、どのような作品なのでしょうか?

――飯田さんが担当されているお仕事と、担当ジャンルを教えてください!

くまざわ書店グループの全体の書籍の仕入れをしたり、いま売れているものを各店に知らせたりしています。主な担当はビジネス、人文理工書、PC書です。
お店が助かるように、お客さまが喜ぶように一同がんばっています。

――飯田さんは日々の仕入れを担当していて、印象に残っている作品はありますか?

『リセットの習慣』(日経ビジネス人文庫)という本を、弊社限定カバー施策として、くまざわ書店にちなんで(?)くまちゃん柄のオリジナルカバーを作って販売しました。
sericoさんという方のかわいいくまのイラストです。
もともとよく売れている本ではありましたが限定カバーが大変好評で、当初用意していた5000冊は2ヶ月で完売し、累計で1万冊売り切れました!

――くまざわ書店限定のカバーを付けることで、他の書店では入手できない希少性を生み出し、また書籍そのものの注目度アップにもつながった企画なんですね! 素敵な企画をご紹介いただき、誠にありがとうございます。また、飯田さんは日ごろからさまざまな本を読まれているかと思いますが、お好きな小説のジャンルはありますか?

ミステリやSFのジャンルです。

――飯田さんのイチ押し小説を教えてください!

『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(ハヤカワ・ミステリ文庫)

当時のわたしは大学生で書店でアルバイトをしていました。それまで海外の翻訳モノとはまったく接点がなく、それこそ早川書房という出版社についてもよくわかっていないくらいだったのですが、あるとき朝日新聞の書評欄の「売れてる本」のコーナーで佐々木敦さんが絶賛していて、読んでみようかな、と思って手に取りました。そして、世の中にはこんなに面白い小説があるのか!と本当に驚きました。まだまだわたしの知らない面白い小説がたくさんあるのだなあ、と思ったのです。

――翻訳小説と初めて出合った思い出の一冊なんですね。素敵な作品をご紹介いただき、ありがとうございます! この作品はどんな方におすすめでしょうか?

翻訳モノはあまり読まないんだよなあ、というひとにぜひ読んでほしいです。なんとなく難しそうな感じがして食わず嫌いになってるひともいるでしょう?

――翻訳小説は読む機会が少ない、という読者の方もいらっしゃいますよね。初心者の方にもおすすめな作品をご紹介いただきありがとうございました。そんな『解錠師』の隣に置いておすすめしたい作品はありますか?

『六番目の小夜子』恩田 陸(新潮文庫)

中学生のとき、「新潮文庫の100冊」の小冊子で見かけて面白そうだと思って読んだんですが、これもこんなに面白いのか!と思って何回も読んだ記憶があります。いつしか「新潮文庫の100冊」に選ばれなくなってしまいましたが、青春小説を“青春”のうちに読めるのってとてもいいと思うんですよね。大人の小説は大人になってからでいいんじゃないかな。

――確かに、青春真っ只中の少年時代と大人になってからではキャラクターへの共感や作品の登場人物たちへの考え方も変化していきますよね。「いまだからこそ」の楽しみ方ができる作品をご紹介いただきありがとうございました。

興味を惹かれた方は、ぜひ両作品とも手に取って楽しんでみてください!


くまざわ書店
全国各地、216店舗にて営業中。
最寄りの店舗・営業時間・定休日は公式ホームページをご確認ください。
公式ホームページ:
https://www.kumabook.com/

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