備蓄と消費期限と私
備蓄が苦手だ。
高いし、邪魔だし。
もちろん、震災の時に国がどうこうしてくれるなんて甘えた事は思ってない。日々買えそうな備蓄用品を見つけてはコツコツ溜めている。
だけど、物価高で毎月の食費にもひーひー言ってる庶民は、
「あっそろそろストックが賞味期限だから新しく足そ!」にはならない。
現実はこう。
「ああ!もうおかゆが賞味期限だ!くそ~気づかなかった!」
↓
「ん?待てよ賞味期限が11月だから…消費期限ではないわけだ!ということは自分の腹が耐えられるのであれば、まだ数カ月は大丈夫ということ!」
↓
「私の腹は今までだって、あらゆる賞味期限切れを受入れてきたから
これからだって大丈夫だろう」
↓
「仮にお腹が壊れたところで、猛烈な下痢と軽い脱水程度で死にはせん。」
↓
「だって、備蓄食料って異常に高いんだモン。そこに回せる余裕資金ないわ。」
である。
これが、乾パンとか乾燥系のものになると、
自分で勝手に消費期限を半年~とか1年に伸ばして
「大丈夫、大丈夫。わたしお腹強いし。」とか
完全に自分の「お腹の腐り物耐性頼り」になっていくのだ。
我が家も黒いコンテナBOXに
「備蓄①雑貨」「備蓄②食料」って書いて
2階の部屋の片隅に置いてある。
年に1回ほどしか見直しをしないので、毎年大量の「お腹チャレンジ備蓄」が発掘されるのであるが。
皆そんなもんではないかと勝手に思っている。
ローリングストックできてる家ってどんだけあるのだろう。
全家庭の2割くらいというのが私の予想である。
だって、人は忘れていく生き物だから。
たとえ賞味期限切れの備蓄を発見したからといって、
今週の晩御飯の献立はすでに決まっているので、
そこに消費期限切れのおかゆをメンバーに入れたくない。
分かる人には分かるかもだが、
夕ご飯というのは
「主婦が渾身の力を降り絞って作る芸術作品」
なのである。
ごはん、味噌汁、主菜、副菜の栄養バランスが
臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前 と「九字護身法」の呪法のように
結界をはるごとく、家族を災いから守っているのである。
(何となく察して欲しい)
なので、消費期限切れのおかゆはメインメンバーになれない。
突然の乱入者を私は許さないのである。
となると、いつ食べるの?という問題がある。
結論、食べないのである。
日頃、金がもったいないと言っている自分のあるまじき行為。
自分で勝手に消費期限をのばした食料を、
もったいないからと数カ月後に食べる程、私は人間ができていない。
期限切れてて、なんか食べるの気持ち悪い。
その感覚に勝てないのだ。
もちろん、震災が起きていざ食べる必要性がでれば
躊躇なく食べるだろう。
あれ、今気づいた。
もし震災時に消費期限の切れた備蓄を食べて
猛烈な下痢になったら
大変すぎないか?
トイレットペーパーでさえ貴重な時に、
下痢ばっかしてたら
無駄すぎないか?
水も止まってるのに、下痢の処理とか。
ああ、そういうことか。
備蓄のコツは、
賞味期限を迎える前に、
自分が気持ち悪くならない前に食べてしまわないと
逆に無駄ばかり発生するということか。
ローリングストックが最強ってことだね。