
思いつかない
最近、僕のチームで仕事のミスが増えている。
先月、ドカーンと前月比3倍くらいのミスが発生して、まあたまにはこんなこともあるさと思っていたが、今月も前月に迫る勢いのミスが発生した。
こうなると偶然である確率はグンと下がる。
なんとかしなければ。
うちの業務の場合、ミスのほとんどは「文章の読み間違い」だ。守秘義務があるので具体的には書けないが、たとえばクレカの審査みたいなものを1人あたり1日数千件で処理する仕事だと思ってほしい。
クレカの審査の場合、決まったフォーマットだけなので読解力は必要ないが、うちの業務の場合その申請がフリーフォーマットで、文字数制限はなく、全員それぞれの事情で長い文章を書いてくると思ってほしい。
当然、文章がうまくわかりやすい人もいれば、日本語の限界ギリギリのような文章の人もいる。
それを何千件と読んでいろいろな判定をしていくわけだが、この判定を間違えるミスが多発している。
昔は単純なミスが多かったが、その都度読み方を教えたり研修したりして、みんなのレベルを高めていった。
みんな一生懸命勉強してくれて、どんどん成長していってくれた。(本当にすばらしいメンバーだと思う)
しかし、最近のミスはどうにも防ぎ難い。
ミスの原因が、その人の生い立ちや知識量、解釈の方向性のような属人的な領域になってきたからだ。
わかりにくいと思うので例を出す。
たとえば、「大阪マンション4階 501号室」という住所があったとする。
この住所を50人に解釈させたら、きっと解釈がわかれる。たぶん以下のようになるんじゃなかろうか。
・4階なのに501ってどういうこと?記載ミス?
・住所に階数が入るって珍しいな。バカでかい団地みたいなマンションで、4階の501号室、つまり4501号室みたいなものかな?
さらに、昔の風習や地域性などにも詳しい人なら
・4階は「死」を意味するから4を飛ばして501。でも501だと5階だと勘違いされるから4階とついているのかもしれないな。
という仮説も立てられるかもしれない。ちなみに余談だが、僕の小学校時代の友人が4階の501号室に住んでいた。オーナーの趣味だろうが、401のほうが絶対わかりやすい。あれは良くないシステムだ。
正解はもちろんわからない。調べないことには。
なので、対応者の正解としては、調査依頼を出すことだ。無理に判定しないことが正解だ。
しかし、ここで「記載ミス」と判断してNG判定を確定させてしまうスタッフが一定数いる。これがクレームとして上がってきている。
他の可能性をなぜ切り捨てたのか聞くと、ほぼ間違いなく同じ答えが返ってくる。「他の可能性なんて思いつきませんでした」と。
つまり、その対応者には「記載ミス」にしか見えないのだ。
最近のミスはほとんどこのパターンだ。
ある人が思いつく反例や解釈を、思いつけない人がいるのだ。
この属人的な要因は、ミスの真因とすべきではない。セオリー的には。これを真因とすると、じゃあ再発防止策はどないやねん?思いつくようになるまで再教育するんか?それって何年かかんねん?教育が十分なされたことをどうやって測定すんねん?っていうアホな話になる。
だから、基本は「仕組み」で解決できそうな要因に目を向け、それを原因として取り組むわけだけど、、、それはそれでクソムズイっちゅーねん。
しかもクライアントのツールだから、「珍しい住所にはアラートが出るようにする」みたいなシステム面での対策は不可だし。(実際にお願いしたけど無理だった)
なんかいい方法ないかな~