ナンって何なんですかね?第2話
ナマステ!ケイチェルおじだよ。
ナンの研究に取り憑かれてはや2週間。この間の研究成果をお話ししよう。
とりあえずいろいろ調べたことをざっとまとめると、ネット上にある日本語のナンのレシピは大きく次の2つに分けられる。
上記①は、普段パン作りを得意とする人たちがその延長でナンを作ってる感じ。なので基本のパンの作り方、つまりグルテン膜が張るまでしっかり捏ねて、発酵、パンチ、ベンチタイムからの成形。そして最後の二次発酵を省いて焼きあげるタイプ。まあとにかく日本人は几帳面。おいたんが前回作ったやり方もそれだけども。
上記②は、日本のインド料理店のナンの仕込みを動画にしてるもの。分量も割と丁寧に教えてくれてるけど、小麦粉10キロとか莫大な量で作ってる(笑)
で、このインド料理店の仕込みから分かったことに基づいて、今回はナンを作っていこう。
材料はこちら。
前回との違いはベーキングパウダーが加わったことと、ナンに厚みを持たせるため全体的に分量を若干増やしたくらい。大まかな割合(ベイカーズパーセント)は変わってない。
ポイント①インド人、イースト使わナーイ!
ウソ。日本のインド料理店ではほとんどドライイーストを使ってる。でも使ってない店もあって、元々インドのナンはドライイーストを使わないらしい。小麦粉や空気中に含まれる野生酵母で発酵させるんだとか。ヨーグルトを入れるのは発酵を促すためのようだ。日本のインド料理店のレシピでイーストを使ってないところは生地を最低でも3時間は寝かせてる。
おいたんは時短のためにドライイーストを使うことにするけど、ベーキングパウダー使うことを考えて前回よりイーストは少なめに。
ちなみにイーストを使わない店でもベーキングパウダーや重曹は使ってる。てかベーキングパウダー使ってない店は多分ない。
さて、粉類にお湯と牛乳、溶かしバターを混ぜたものをぶっかけます。
ポイント②インド人、生地こねナーイ!
おいたんが見た仕込み動画はどれも、人が手で混ぜてた。機械は使ってない。10キロもの小麦粉が使われる生地を手で捏ねるのなんて無理だわな。とりあえず全体的に混ざればオッケーみたい。
↑カードとかゴムベラで混ぜてもいいと思うんだけど、やっぱり手で混ぜよう。
このまま1時間こたつ発酵させます。
1時間後↓
打ち粉をして取り出します。
ポイント③インド人、ガス抜かナーイ!
大量の生地のガスを抜くためには手でパンチしたくらいじゃ到底無理だよな。体ごとダイブすればいけるかもだけど。見たところガス抜きはまったくせず、そのまま1個1個ちぎって丸めてる。
おいたんのは2枚ぶんなので、そのまま2分割。
↑あれ?インド料理店の人の動画では、ここで断面に気泡がいくつか出来てて、「この穴がボコボコできてることがダイジ」って言ってたんだけど、できてないな…?うーむ、時間の関係上、とりあえずこのまま続けます。それぞれ丸めてラップして冷蔵庫に入れときます。
発酵させてるあいだにカレー作りをしてたんだけど、そのカレー作りが終わったところで冷蔵庫から1個生地を取り出し、伸ばしていきます。
ポイント④インド人、麺棒使わナーイ
これは前回パタさんから指摘があったことなんだけど、麺棒を使わず手で伸ばすのがポイントみたい(本場インドの丸いナンはアブローラーみたいな専用の麺棒で伸ばすみたいだけど)。
↑今回の生地、捏ねてないしパンチもしてないから、めっちゃ柔らかくて伸ばしやすい。これは明らかに前回の生地とは違う。上に持ち上げて重力で伸びるわ。本当はここで両手でパタンパタンってやって伸ばすんだよね。やり方が分からなかったので、テキトーに手で伸ばしました。
うちのオーブン最高温度の220度に予熱したピザストーンに乗せます(ピザストーンは15分ほど予熱。ピザストーンがない場合は天板ごと予熱するといいと思う)。
↑伸びが良すぎてピザストーンからはみ出しちゃった。
これを220度8分くらい焼きます。
さて、発酵させてるあいだに作った今回のカレーは、エビのサグカレーだよ。材料はこちら。
↑あやうく冷凍庫の永久凍土になりかけてた冷凍ほうれん草とエビを救済。
先日、おてだまさんからホールのコリアンダーと黒胡椒を使うと、おいたんが求めてる苦味は出せるんじゃないかとアドバイスを頂き、今回さっそく試してみました。
間違って先に玉ねぎを炒め始めてしまったため、別鍋でテンパリング。玉ねぎ鍋に移します。
コリアンダーホールは初めて使ったけど、確かに香りが「あの香り」とでも言うのか、カレー屋さんの香りだ!パウダーではなかなか出ない香りだね。
玉ねぎが飴色になるまで炒めて、ニンニク・生姜・SB赤缶を入れて炒めて、トマト缶(中身)を入れて煮詰めたら、冷凍ほうれん草投入。
水を加えて10分ほど煮たら、少し冷ましてブレンダーでギュイーン。
エビは別フライパンで炒めることに。見た目重視です(笑)
そんなこんなで、できあがり。
ナンは写真じゃ分かりにくいけど、前回よりは大きめに膨らんでるよ。
きちんと層っぽくもなってるし、一方向に割ける感じも再現できてると思う。何よりめっちゃ美味しい。味も食感も、これはピザでもパンでもない、紛うことなきナンだわ。
不満な点としては、大きな気泡が1個しかできなくて、パリッとした部分が少なく、ふんわり部分の割合が高いことかな。お店のナンはパリパリとふんわりのバランスがいいもんね。やはり発酵後に気泡ができてなかったことが影響してると思われる。おそらくそこだけかな。
ちなみに、1週間くらいまえに調布に用事があって行ったときに、ふらっと入ったインド料理屋さんのナンとマトンカレーがこちら。
やっぱりナンのモコモコ具合が違うよね。これについてはドライイーストを増やしたり、牛乳ではなくヨーグルトを使ったり、発酵時間を長くしたりして改善してみよう。焼き色については家庭の火力でこの状態にするのは無理だと思う。だけど味と食感はまだまだ近づけられると思うな。
強力粉と薄力粉の割合も見直そう。今回のはフワフワ感が強くて、もう少しもっちり感があった方がいいかも。
ま、そんなわけで第3話に続きます。
カレーの苦味については、今回サグカレーという特殊なカレーだったこともあって、正直よく分からんかった(笑) 次は普通のチキンカレーとかで試してみます。
おわり。