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ゆるきち館長就任1年半を迎えて

 2016年11月、中高生の居場所「ゆるきち」(2019年より、中高生のオープンスペース「ゆるきち」とマイナーチェンジ)が札幌市東区に開設された。

序章

 2016年5月ごろから、開設に向けた準備などが進んでいたり、活動メンバーが募集されていたりしたように記憶しているが、当時は特に ゆるきち の活動に関わるつもりは、なかったような気がしている。
 実際、記録写真を撮りにオープニングセレモニーにちらっと顔を出したり、別の活動の会場としてゆるきちに訪れることはあったが、純粋にゆるきちの活動に参加するということは、斉藤の感覚的には特になかった気がしている。

 2019年3月。運営団体である認定NPO法人Kacotam(カコタム)の常勤職員となり、ゆるきち に常駐するようになった。広報活動がなかなか上手くできていなかったり、もろもろのタイミング的なものもあり、常駐当初は、利用者が0~1名ぐらいまで激減していた(開設から1年ぐらいは、日平均5名ぐらいは利用があったようなのだが...)。

 オフレコではあるが、常駐前までは、普段は学習支援を行っている団体として、”ゆるっと”過ごせる居場所づくりに手を出すにはちょっと早かったのではないかなと、外野から見ていたところはあり、もろもろの状況を鑑みると一時閉鎖も考えては?と思っていた。
 そんなことを思いながら、常勤職員になる前に、某ボランティア仲間とそんな話をしていたところ...
 「閉める判断をするのに、十分なだけ、やれるだけのことはやりきったんでしょうか?そういう意味ではまだ(閉める判断をするのは)時期尚早では?」
と釘を刺された。
 一理ある...と否応なしに思わされてしまったようで、この言葉を胸に、2019年は「ゆるきちの利用者広報~背水の陣~」として、いくつかの取り組みを動かした。

 2020年1月以降、日平均利用者数は、4人台まで増加した。開設当初の5人台には至らないが、内数で見ると、普段の学習支援ですでにつながっている子の利用ではなく、ゆるきちが初めての接点という子で継続して利用している子の割合が少しずつ増えてきている。

100円で”ゆるっとする”

 中高生にとって100円の価値というのはどれほどのものか。ゆるきちは、利用料100円がかかる。友達の家に遊びに行けば、無料なのに比べればハイコストだ。一方で、親の目を気にする必要がない(友達のも、自分のも)という意味では、思春期真っ盛りの中では、ローコストに思える。

 ゆるきちを訪れると、もれなく 兄・姉的な人々(ちょっと年が離れるかなという人々もいるが)がいて、”困りごと”があれば、よきに取り計らってくれるし、”やりたい!”をカタチにするのを手伝ってくれたり、勉強を教えてもらえたり、高校や大学・専門学校等や職業について生の声を聞けたりする。これはオイシイ。

 ゆるきちの日々の様子は、以下の記事やマガジンから感じることができます。

ある日のゆるきち(note記事)
ゆるっとするということ(note記事)
ゆるきちの日常(マガジン)

館長のお仕事

 2019年3月から、ゆるきちで「館長」という非公式な役職を務めている。気がつけばもう1年半だ。非公式役職なだけあって、「館長」というのは、名ばかりで、「用務員さん」「調理係さん」「利用者様相談室」「スタッフ相談室」...... などなど、雑多なことを一手に引き受けるというポジションである(苦笑)。

 2019年2月までは、なにかの機会があってゆるきちを訪れたときには、ただその訪れた目的を達成することに注力しさえすれば良かったし、合間の時間はボケーッと過ごすことが多かったように思うが、ここ1年半ぐらいは、館長のお仕事に取り憑かれ、ゆるきちで”ゆるっと”していなかった気がするような、しないようなである。

 昨日(8/7)から、2週間ほど、館長のお仕事お休みモードに入った。というのも、短期インターンシップとして、普段ボランティアスタッフとして活動しているスタッフが 特別館長(これももちろん非公式役職 ww)に就任したからだ。

 しばらく館長職は忘れて、普通のゆるきちスタッフとして活動できる貴重な機会なので、存分に味わいたい。というよりも、「館長」としてではなく、所謂ただのゆるきちスタッフというのは、実は初めてな気がしてワクワクしている。
 といっても、既存の利用している子どもらとの関係が特に変わる訳ではないが、館長業務がない分、直接ないし間接的に子どもと関わる時間が増えることは間違いないし、ただのゆるきちスタッフとして、ここまでやってくれて良いんだぜ!ってところを例示するよい機会だとも思っている( というと、館長職を忘れられていない気がする......)

メンバーも自己表現する

 ゆるきちは、子どもにとって自由度が高いのはもちろん、スタッフにとっても自由度が高い活動で、それが逆に活動しにくさになっていることがある。2019年10月、ゆるきちでの活動の在り方をいろいろと検討した中で、出てきた一つの指針が「メンバーも自己表現する」ということだ。

 もう少し具体的に示すと、

・ゆるきちでの過ごし方の例を見せる
・子どもの興味関心の幅を広げられるようなことをしてみる
・自分がどんな人かを周囲にそれとなく見せる

ということだ。館長業務のないこの先2週間は、ひたすらに「ゆるきちでの過ごし方の例を見せる」をやり続けようと思う。

 昨日(8/7)は、Nintendo Switchにゲームキューブのコントローラーを接続するアダプターを持参して、スマブラを快適にやれるようにしてやってみたり、yogiboにぐでーんと溶けてみたりした。
 あ、せっせと夕飯づくりをしたりもした。調理は別に館長のお仕事な訳ではない。子どもが作ることだってあるし...。でも、なんだか館長職を離れて作ったお料理はいつもより美味しくできた気がする←。

終章

 「ゆるきち」をきっかけに書き始めたところ、筆をどのようにして置けば良いのかよく分からなくなってきた。

 オフレコで触れたように、一度は「手を出すのは時期尚早だったのでは?一度閉めたら?」と思った活動だったが、今では手放すのは惜しい活動となった。単純にアレコレ策を講じて出てきた思い入れだったり、1年半、平均して週に3日ぐらい過ごしている場所だったりするせいもあるが、日々訪れてくれる利用者たちにとって”ゆるっと”できる”いばしょ”としての機能を垣間見られるのが面白いというのが一番かもしれない。

 だらだらと、永遠と書き連ねられそうだが、今回はこの辺で筆を置くことにする。

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