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【詩】ぽっぽちゃんごめんね

寒風に吹かれるたび 悲しいことを思い出す
子供の頃ペットを飼っていた
名前はぽっぽ 賢いメスのチャボ

吹雪の夜 鶏小屋にたくさんの雪が入り込んだ
朝 ぽっぽは息も絶え絶え
小屋の隅にうずくまっていた
私はぽっぽを抱えて家に入った
「お母さん早くストーブつけて!それからタオル!」
けれど母親はこう言った
「ニワトリなんか家に入れないで!早く小屋に戻してらっしゃい!」
「でも…」
私は言われるままぽっぽを小屋に戻した
ほどなくぽっぽは凍え死んだ

   *

夜 吹雪の中をとぼとぼ歩く
寒い 寒い でもいいんだ
ぽっぽはもっと辛かったから
どうして母親の言うことを聞いたんだろう
どうして母親を信じていたんだろう
ぽっぽ ごめんね ごめんなさい

母親の意地悪はペットだけではなく
子たる私にも降りかかった
毎日パチンコに明け暮れるほど裕福なのに
洋服どころかパジャマすら買ってくれなかった
いつもボロ服を着ていたので
石を投げられることもあった
殴られたこともあった

それでも私は母親を
世界で一番優しい人だと思い込んでいた

寒さも度を過ぎると感覚が麻痺する
粉雪が顔に当たると
熱さと痛みを覚える

今心の中に この吹雪のような
熱いような 冷たいような
暗い炎が宿った

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