愛着理論:幸せに生きやすい人生の土台とは?
はじめに
壁家屋(かべうちや)を運営しております、勇心です。
私たちのモットーは、『すべての人に安全基地を』です
本来の自分の在り方に気づき、その可能性を最大限に発揮していくための『心の拠り所』となりたい。そんな想いを込めています。言い換えれば、すべての人の心のインフラ整備をすることです。
自身の在り方への信頼と自分を取り巻く周囲への信頼を基盤として、自分らしく主体的に人生を切り開いてく人が一人でも多くなる社会に貢献したいという願いです。
それを体現すべく、SECURE HOMEでは、2つの学習術的な理論を指針にサービス設計を行っています。
一つは『愛着理論アタッチメント』、もう一つは『成人発達理論』と呼ばれるものです。
この記事では、『愛着理論』についてお話しさせていただきます。
愛着(アタッチメント)とは何か?
『愛着アタッチメント』とは乳幼児と養育者(特に母親)との間に形成される情緒的なつながりや絆のことです。
主に心理学や発達心理学などの学問領域で扱われており、イギリスの精神科医であるジョン・ボウルビィによって1950年頃より提唱されています。
動物が生まれながらにもっている生き延びるための行動や欲求、要求に対して養育者がそれに応えてくれることで愛着が形成されます。
例えば、寂しさに対する慰めや、身体的なスキンシップ、眼差し、要求や訴えに対する親密な応答などを指します。
そして、幼少期における養育者との愛着の程度が、本人の人格形成の土台となるという考え方の理論です。
また、愛着は、対人関係、愛情生活、仕事や人生に対する姿勢に大きく影響を与え、『第二の遺伝子』とも言えるものです。
つまり、この愛着の程度によって、後の人生でそれがポジティブにも働き、ネガティブにも働くということです。
これを聞くと、『じゃあ、私は育ちが良くないから、もう生まれた時から人生ダメなんだ。』と思ってしまう気持ちがあるかもしれませんが、まったくそんなことはないので安心してください。だからこそ最後まで読んでいただきたいのです。
正直、私(Yushin)もそんな考えが頭をよぎりました。というのも、私の母親は私が3歳の時にガンを患い闘病生活を送っていました。
父親も単身赴任で家族とは離れており、幼少期は両親不在という状況でした。
主に私の世話は二人の姉がやってくれていて、状況としては、よく言えば自由奔放主義です。そうでなければ、意図しない軽いネグレクトという状況で育ちました。
簡単に言えば、その時の状況が私の性格や適性、考え方、人間関係の作り方などあらゆることに大きく影響したということです。
ここで断っておきますが、小さな子どもにとっては少々ハードな状況ではありましたが、自分の両親やその養育環境について恨んでいるということはまったくありません。
もちろん当時は、子どもながらに苦しく寂しい思いもありましたが、両親は私を大切に思っていたと思いますし、その時のそれぞれの最善を尽くして私を育ててくれたと思っています。
そんな環境があったからこそ、身についたこと、よかったこと、卓越できたこともあるので、むしろ大いに感謝しているくらいです。だからこそ、このようなサービスを社会に届けていきたいとも思えています。
愛着(アタッチメント)が希薄な現代
ここまでのところで、幼少期の養育環境や養育者との関係性がその後の人の人格を形成するのに大きく影響していることはご理解いただいたと思います。
現代では、様々な社会的な変化が要因となって、希薄な愛着によって育った人が多い社会とも言われています。
シンプルに言えば、自己受容力が低く、ストレスを感じやすかったり、無気力や無関心、人間関係において不調和を起こしやすかったり、葛藤やジレンマによって悩む人が様々な世代で増えているということです。
これらの原因のすべてが希薄な愛着によるものだという見方は言い過ぎではありますが、大いに影響している可能性があることは確かだと思います。私(Yushin)自身も、その傾向のある一人だと私は認識しています。
愛着(アタッチメント)を取り戻す
では、希薄な愛着によって育った人が多いと言われている社会で、私たちはどのように自分らしく主体的に人生を切り開いていくことができるでしょうか。
壁家屋(かべうちや)は、その一番の土台となるものが『愛着を回復する』ことであると考えています。
『愛着』が安定すると何が良いでしょうか?解説していきます。
生まれたばかりの赤ん坊は、養育者の保護を受けながら、成長と発達を進めていきます。
子どもにとっての健やかで主体的な成長サイクルは以下の図ような形です。
つまり、子どもの発達において、養育者とは、安心や安全を与えてくれる心の『安全基地』として機能しています。この健やかな成長サイクルは『安全基地』が起点にあることで支えられています。つまり、安定した愛着が土台となっています。
この成長サイクルは、大人にも同様に働いています。
このように、安全基地は子どもだけに必要なものではありません。私たち大人の多くは、家庭や仕事で誰かにとっての安全基地であることはあっても、本人にとっての安全基地が枯渇してしまうことが多いのが現状ではないでしょうか。
時には思いっきり吐き出したり、本音を打ち明けたり、弱音を吐いたり、嘆くことがあっても自然なことです。そんな羽を休める場所をすべての人が必要としていると思います。
自らの安全基地を持ち、そして誰かにとっての安全基地となることこそ、望まれる循環のかたちであると壁家屋(かべうちや)は考えています。
愛着(アタッチメント)を回復する方法
ここまでを簡単にまとめてみます。
愛着理論では、二つの大きな指針が示されています。
それは、本人が安全基地を確保すること。そして、メタ認知によって振り返りをすることです。順番に解説していきます。
安全基地の確保
そのために、次の『メタ認知』がとても大切なこととなります。
メタ認知
では、自分を知り、理解するとはどういうことでしょうか。例えば、自分を理解する際に重要となる探究ポイントは以下のようなものです。
これらはほんの一部で、探究ポイントの粒度や深さは様々です。現実に起こる違和感やモヤモヤする出来事の中に自己探究へ切り口が豊富に存在しています。
それらについて一つ一つ丁寧に向き合ってあげることで、自分自身が自分への一番の理解者となることができます。それはつまり、自らが自身の安全基地となるということに他なりません。
おわりに
最後に、壁家屋では、関わるすべての人が自分らしく主体的に人生を切り開いていくことを支援すべく、『安全基地を提供すること』『メタ認知による気づきの機会をもたらすこと』をサービスの基盤として位置付けています。
すべての人が、安全基地への理解を深め、安全基地を持ち、そして誰かの安全基地となる社会を願って活動を続けていきます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。私たちが基盤とする愛着や安全基地という考え方について少しでもご理解いただけましたら幸いです。
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