ラザルスの心理学ストレスモデルとストレスコーピング
放送大学教養学部【今日のメンタルヘルス 第6章『ストレスの理論』】と【精神疾患とその治療 第9章『身体疾患と精神疾患』】から
ストレスという概念に今日のような意味を与えたのは、ハンガリー生まれのカナダの生理学者セリエである。
セリエは工学の世界で使われていたストレスという言葉を、医学・生理学の世界で導入し、「外界からの多彩な刺激・要求に対する生体の非特異的で一様な反応」という定義を与えた。
そして反応を引き起こす外界からの刺激をストレッサーと呼んだ。
セリエの提唱した生物学的なストレス論は、その後、心理学的な方向へと大きく発展した。
なかでもラザルスらはストレスへの対処様式や認識の在り方に充填を置いてストレス論を展開した。
その影響を受け、(精神疾患の)治療においてもストレス対処能力(コーピング・スキル)の向上や任氏の修正を重視する考え方が今日の主流になっている。
ラザルス曰く、
「ストレスは個人が『評価』するもの……
つまり、ストレスとは客観的なものではないく、
個人が主観的に評価した結果である」
つまり、同じようなストレッサー(刺激)でも受け手次第でどんな反応をするか、どう受け止めるか、どう感じるか、どう傷つくかが違うわけですね。
上の図はラザルスが提唱した理論を表した認知的評価の流れです。
①環境刺激:人にストレス反応を与える刺激
②認知的評価:環境刺激(ストレッサー)を受けてどう判断するか。
これには個人差がある。
無害だったり肯定的な刺激の場合は
急性ストレス反応が起きない。
③急性ストレス反応:心拍数が上がったり呼吸が荒くなったり、
感情が揺れたりする反応が起きる。
④コーピング:ストレスの対処法のこと。個人差がある。
⑤慢性ストレス反応:もしコーピングに失敗したり、
コストを支払った場合は、
(例えばストレス対処に追われて疲弊する。
ストレス対処以外のことがおろそかになる。
同じ対処ばかりして何も前進がない)
慢性的なストレス反応が出現する。
※上記の②③④をストレス反応が無害化するまでくり返す。
※ストレッサーを無害・無関係・肯定的に捉えることができたら、
ストレス反応が起こらないようになる。
なお、コーピング(ストレス対処法)はおおまかに4つの型に分類されている。
まずは原因となる問題を積極的に解決することを優先する方略。
または原因は置いておき、気持ちを落ち着けることを優先する方略だ。
そしてその中でも、ストレスフルな刺激でわき起こったネガティブな感情に対して、積極的に解決していくか(積極型)、それともなるべく遠ざけようとするか(消極型)によって分けられる。
ストレスを上手く発散するには、一つの方略にこだわらないことが肝心です。
そのためには時に問題から真正面から挑んだり、時には気晴らしにでかけたりあえて見ぬふりをして逃げるなどの柔軟性を身に着けること。そして一つでも多くのコーピングを身に着けてレパートリーを増やすことで、ストレス耐性を高める効果が期待できます。
※学習した内容を意訳した情報も含まれるので、鵜呑みにしないようにお願いいたします。
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