2022年7月の記事一覧
『ゴッドファーザー』と『仁義なき戦い』「仁義なきヤクザ映画史」特別編 伊藤彰彦
今から50年前、反乱の季節の終わりに日米で大ヒットした第一級エンターテインメント。だが、その内実は真逆だった。/文・伊藤彰彦(映画史家)
★前回を読む。
反社会的な集団を描いた映画
2022年は『ゴッドファーザー』(フランシス・フォード・コッポラ監督)が、23年は『仁義なき戦い』(深作欣二監督)が公開されてから50周年となる。ともにマフィアやヤクザを描いた特異な「ジャンル映画」でありながら、『ゴ
小林信彦「日本映画ベスト50」わが洋画・邦画ベスト100 「淑女は何を忘れたか」「エノケンの頑張り戦術」「火口のふたり」「ドライブ・マイ・カー」…
文・小林信彦(作家)
堂々とうたえる渡辺篤
「マダムと女房」(1931・松竹蒲田)は、本格的トーキー映画第一作、というのは変な形容だが、してみると、パート・トーキー映画なんていうのがあったのだろうか。そういう野心的な映画かと思うと、主演が渡辺篤ときてズッコケる。時代のカラーが出ていて良い。
渡辺篤が主演して、〈マダム〉が伊達里子、女房が田中絹代。これは〈マダム〉がジャズで暮らすモダン・ガール、
古川ロッパと「映画時代」 平山周吉
往年の喜劇王ロッパは若かりしころ、映画雑誌の名物編集長だった!/文・平山周吉(雑文家)
「美味いものを毎日食えるようになりたい」「文藝春秋社から新しく映画雑誌が創刊されることになって、菊池寛先生から招かれ、麹町の文藝春秋社へ勤めることになったのは、僕が早稲田大学1年生の時だったと思う。/雑誌の名前は「映画時代」と云った」(『ロッパ随筆 苦笑風呂』)
エノケン(榎本健一)、ロッパと並び称された昭