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文書術

日常生活の中では、誰もが考えています。考えていない人など、一人もいないはずです。生きている以上、私たちは考えることなしに、一日たりとも過ごすことはできません。それなのになぜ、また、ことさらに本書では「考える」ことの学習を強調するのでしょう。

その一つの答えは、書くことがテーマになっているからです。今、書くことと考えることの関係を考えてみると、書くことなしに頭だけで考えることは可能ですが、考えることなしに書くことはたった一行であってもできません。また、考えたことはそのプロセスなり、結論なりを書くことで初めて客観化され、他者にもわかるものとなります。

書くことという現実の行為は、考えるということが現実に働きかけることであるという本質をたえず想起させてくれる点でも貴重なのです。

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