「四角い部屋で」
伝えたいことは
たくさんあるはずなのに
いつも喉でつかえてしまうの
わかっているけど話さない
ううん、わかっているから話せないの
四角い部屋で
一本の電話だけを頼りに
わたしはカレンダーを見つめている
時は今だって容赦なくすぎていて
わたしは歳をとっていく
羽根はどんどん抜けていて
飛べるかどうかも、もうわからない
羽根が抜け落ちてしまうのと
世界の扉が開くのと
いったい、どちらが早いのだろう
四角い部屋で今日も考える
わたしは間に合うのだろうかと
詩集「朔(さく)」つきの より
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