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読書レポート:これからのマネージャーの教科書

■書籍紹介

著書:これからのマネジャーの教科書
著者:田久保 善彦
出版社:東洋経済新報社

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■はじめに

今回の読書では、私が今目指している役職「マネージャー」とはどんな仕事をし、どんなスキルが必要なポジションになるか知るためにこの本を読むことにしました。

■私が考える「マネージャーに必要なこと」

この本を読む前の私が思う、マネージャーの仕事は下記の3つでした。

・売上目標に向けた数値管理と指示出し
・メンバーのモチベーション管理
・部長・次長から来た指示を砕いてメンバーに下ろす

私から見た現マネージャーの仕事がこのように見えていました。
それでは、この本の内容を整理しまとめていきます。


■「マネジメント」という仕事

◆マネジメントとは
マネジメントとは、「計画し、組織し、指揮し、調整し、統制すること」であると定義されており、マネジメントをする人をマネジャーと呼びます。

マネージャーの仕事の難しさ
そしてマネージャーの仕事は次のような言葉で表現されています。
「過酷なペース、細切れの仕事、守備範囲の広さ、頻繁な中断、行動志向の強さ、口頭のコミュニケーションの重視、横の関係の重要性、主導権を握りづらい状況で主導権をある程度確保するための苦心」

これだけでは、マネージャーの仕事がどのようなものであるかイメージがしにくいですが、その分かりにくさこそが本質とのことです。


マネージャーの仕事を習得する方法
マネージャーの仕事「マネジメント」の内容について、今の私がやっていないということは、マネージャーとメンバーでは全く異なる役割で、当事者がメンバー意識の延長で頑張ってもどうにかなるものでもないことが分かります。

では、「マネージャーの仕事習得法」みたいなもので勉強すれば良いかと思ったのですが、世間一般に共通するそんなものは存在せず、それぞれの職場で、自分の力で習得するしかないということで、良いマネージャーになることの難しさが分かりました。


■私が目指している【ミドルマネージャー】とは

◆ミドルマネージャーとは
ミドルマネージャーとは、部下を持つ管理職でありながら、上位管理職の指揮下に配属されている管理職です。

役目としては、経営層とメンバー(部下)との間をつなぎ、経営層が示した理念やビジョンをメンバーに伝え、目標達成のための戦略を推進することです。


◆ミドルマネージャーの重要性
完全なトップダウン型であれば、トップからの指令を部下に伝える伝達者ですが、方針の変化が激しく柔軟性が求められる企業ではミドルマネージャーの役割が非常に重要となります。

先にも述べていますが、ミドルマネージャーの役目はトップとメンバーを結びつける結節点です。
トップが持っているビジョンとしての理想と第一線が直面している現実をつなぐ架け橋となります。


◆日本のミドルマネージャーの実態
海外のミドルマネージャーと比較して、日本のミドルマネージャーは「疲弊している」そうです。

要因としては、バブル崩壊後まで遡りますが、人件費削減のためリストラなどで管理職のポストが削減されたことで、第一線に立ちながら部下のマネジメントを行う「プレイングマネージャー化」が進んだためと言われています。

「上場企業の課長に関する実態調査」によると、99.1%がプレイヤー業務を兼務しているようです。


■自己変革力をもとめられるミドルマネージャー

ポイントは2つあります。

・ミドルマネージャー自身が変わり続けなければならない
・ミドルマネージャーとしてイキイキと働くことに価値を見出す

組織の中で重要な役割を担うミドルマネージャーが、周囲からの期待を超え、イキイキ働けば直接的に良い影響を組織に与えられることができます。

さらに、その姿が部下に目指すべき姿文目標を与えるとより多くの社員が活性化し、会社そのものがより推進力を持った状況になると考えます。


■期待を超えるミドルマネージャーとはなにか

マネージャーには、自ら先頭に立つことで成果を上げるマネージャーもいれば、メンバーを前面に立たせて自分はサポート役に徹することで成果を上げるマネージャーもいます。

本書では、どちらのタイプであっても、期待通りの成果を上げていれば一定の評価をされると書かれています。

ただ、やはり期待通りの成果では誰も目標にしてくれません。
期待通りの成果を上げることが最低限求められていることですが、社員の推進力を上げるには、期待以上の成果を上げるマネージャーが必要となります。

では、無難にこなすミドルマネージャーと期待を超えるマネージャーではどこが違うのでしょうか。


◆ミドルマネージャーの特性
ミドルマネージャーはしがらみの中にいます。

学びのリレー:作業用 (1)

一般的には四方八方を囲まれ、上司の要望、顧客の要望、部下の要望、さまざまな声といった「しがらみ」の中にいるため、時に身動きがとりづらく、成果を出しにくい場面が多い役職です。

ミドルマネージャーが日々直面している課題は、こうした異なる意見や考えに囲まれて動きづらい組織のしがらみの中でどう判断し、行動し、組織を動かしていくのか、と言うことです。


◆期待を超えるミドルマネージャーの定義
この本では、次のように定義をしています。

「組織のしがらみの中においても、環境の変化に合わせて自己を変革し続けながら、組織として周囲の期待以上の成果を上げ続ける人」

では、こうした「期待を超えるミドルマネージャー」は、どのような人材なのでしょうか。


■期待を超えるミドルマネージャーを生む3つの力

◆期待を超える3つの力
期待を超えるミドルマネージャーは次の3つの力を持っています。

①組織で成果を出す力(スキル)
②仕事に対する思いの力(ウェイ)
③周囲との考えの違いを乗り越える力(ギャップ)

本書では、このスキル・ウェイ・ギャップという力を一度獲得したら終わりかというと、決してそうではなく「維持」する努力が必要とのことです。

なぜ一度獲得したら終わりではないのか。
それは自身の異動や、上長の交代、達成すべきゴールが変更になるたびに獲得したものが失われ、再度回復させることになると言います。


①組織で成果を出す力(スキル)
着目すべき点は「組織で」という部分で、しがらみの中にいる自分だけでは不十分です。あくまで組織として、成果を出すことを重視しています。

ここでミドルマネージャーに重要なことは「リーダーシップ」です。
この本では「SL理論」をもとに話が展開されていました。


②仕事に対する思いの力(ウェイ)
この思いは、節目となり過去の経験を通じて自覚していくケースが多いようです。過去の経験を、自身にとって節目となる経験だと自己認識し、その節目の経験の意味を自分なりに解釈することで、自分なりの「想い」が徐々に形成されていきます。


③周囲との考えの違いを乗り越える力(ギャップ)
「周囲との考えの違いを乗り越える力」こそが、ミドルマネージャーに最も求められる力だといえます。

ミドルマネージャーは周りを様々な考えに囲まれていることから、それぞれに対して「違い」を認識し、「違いに対する解決方法」をもつことで「違い」を乗り越えて成果へとつなげてると言います。


◆ギャップに対応する6つのタイプ

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「違い」を乗り越えられるのは
【突破型】【両立型】【適応型】です

私は【適応型】と自分を評価していますが、マネになるとより明確に分かると思います。


■まとめ

私が目指している「ミドルマネージャー」は、今の私から見えている部分だけでは到底表現ができないほどのしがらみの中にいるということを認識しました。

そして、経営層と現場をつなぐための重要なポジションでもあり、理想と現実の乖離をなくすという会社経営にとって重要な部分を任せていただくのもまたミドルマネージャーということを理解しました。


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