メタバースを203高地にしないために
203高地とは?
10,000人以上の戦死者を出した、日露戦争の激戦地です。
映画にもなりましたが、ある程度の年齢の方には司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』で知られています。
若い方は、『ゴールデンカムイ』かな。
どんな歴史にも複数の解釈はありますが、多くの場合『戦略なき、悲しい突撃』として語られる戦いです。
『なにがなんでも正面突破』という作戦とも呼べない作戦によって、多くの尊い命が失われました。
その悲劇に結びつけるのは、やや不謹慎かもしれません。
しかし、『魅力的な仕掛けで、世界中からメタバースに人を集める』というニュースを耳にするたびに、わたしの頭には『203高地』が浮かぶのです。
なぜなら、メタバースに人を集めるのは、リアルに人を集めるよりも大変だから。
そして、仮に強烈なインパクトで一度来てもらえても、リピートしてもらうためには、『魅力的な仕掛け』をつくり続けなければなりません。
言わば、正面突破の突撃命令によって、現場のクリエイターはいつ終わるともしれない過酷な戦いを強いられるわけです。
※ リアルとバーチャルの間の溝を超える難しさについては、以前これらの記事に書きました ▼▼▼
そもそも『凝った場所をつくって、そこに人を集める』という発想自体がリアルのトレースであり、全く『メタ的=次元の違う』発想ではありません。
では、メタ的な発想とは何か?
テジタルでつくられている利点を最大限に活かすことです。
たとえば、デジタルデータは簡単に複製できます。
原理的には全てのメタバース空間が複製可能ですし、その操作を当たり前に活用できるサービスもあります。
裏返して言えば、簡単に複製可能なメタバース空間を、リアルと同じ『1点もの=そこにしかないもの』として扱うのって、なんだか変ですよね?
敢えて厳しく言えば、印刷物を『本物』と言いはる感じです。
『魅力的な仕掛けで、世界中からメタバースに人を集める』というニュースは、「この高性能印刷機を使って、ピカソの絵と同じくらい価値のある作品をつくれ!」と言っているようにも聞こえます。
作戦とも呼べない作戦です・・・
メタバースは3Dだからすごいのではありません。
3D空間ほどのデータをいとも簡単に転送できるようになった技術がすごいのであり、シンギュラリティーの同時代文化だから魅力的なのです。
※ メタバースの歴史的な意味についてはこちらの記事に書きました ▼▼▼
メタバースをリアルと同じように扱うことは、一見当たり前に感じられますが、技術利用の原理・原則からも逸脱しています。
できることをやらないで、無理な使い方をしているからです。
それは、トラックに荷物をのせて、馬にひかせるようなもの 😊
『メタバース空間は複製が簡単』という認識を持つだけで、発想はまるで違ってきます。
極端に言えば、180°反転すると言ってもいいでしょう。
たとえば、『メタバースを集客の入口としてではなく、リピーターになってもらうための出口として機能させる』という使い方です。
そうしたメタバースの活用法を詳しくお伝えするリアル・セミナーを、4月22日(土)に東京駅近くで開催します。
「メタバースをビジネスに活かしたい」「今、何が起きようとしているのか知りたい」方はぜひお越しください。
「なんだ、宣伝かよ」と言われそうですが 😊
まぁ、そこは、そうですね。
宣伝には、なっています。
ただし、コアにあるのは、現場のクリエイターや広報担当者に「無駄な疲弊をしてほしくない」という思いです。
しかも、それが明確な作戦を持たない指揮官によって引き起こされるならば、くり返される『歴史の悲劇』でしかありません。
指揮をとる人の知識と意識。
そして、何をおもしろがるかによって、そこ(=メタバース空間)は天国にも地獄にもなります。
早く行きたいなら一人で行け
遠くへ行きたいならみんなで行け
みんなで行くには進め方が大切ですね 😊
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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世の中に、笑顔のあふれる人を増やしたい、と思っています。
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